2016 Fiscal Year Annual Research Report
Anion dependences of melting point and redox reaction of viologen type ionic liquids
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26810052
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田原 弘宣 長崎大学, 工学研究科, 助教 (80631407)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビオロゲン / 溶融塩 / イオン液体 / ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ビオロゲン型イオン液体の電気化学測定を行った。これまでに得られているビオロゲン塩の多くの融点は100℃を下回っており、イオン液体として扱うことは可能であるが、室温でも液体として扱いやすいブチルヘプチルビオロゲンのTFSI塩を用いた。ビオロゲン型イオン液体のモル濃度は1 Mを越える上、粘度が非常に高いためIRドロップが大きく、ビオロゲン型イオン液体にマクロ電極を浸漬させて測定する方法をとることができない。また、ビオロゲンは還元によってエレクトロクロミック特性を示すため、ビオロゲンの色変化を観察するという観点で、ITO透明電極上にブチルヘプチルビオロゲン滴を載せ、水中(支持塩としてTFSIのカリウム塩を溶かしてある)にてサイクリックボルタンメトリー(CV)と定電位電解測定を行った。ビオロゲン型イオン液体にマクロ電極を浸漬させる方法ではピークを持つCVが得られなかったのに対して、水中浸漬によって、レドックスピークをもつCVを得ることができた。また、定電位電解によってビオロゲン滴の還元による色変化を観察したところ、滴の外周に沿う形で還元体の拡散を見ることができた。ビデオ撮影によって、還元体の進行速度から拡散係数を見積もったところ、以前に電気化学測定から得られた拡散係数よりも数倍大きく算出された。詳しい機構は不明であるが、滴中を還元体が拡散するよりも、水に接した滴/水の界面が還元体の拡散に有利であることを示しており、今後、さらに機構解析を行う必要が出てきた。
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