2015 Fiscal Year Annual Research Report
非フラーレン系n型半導体材料群の系統的創製とオールプラスチック太陽電池への展開
Project/Area Number |
26810064
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中林 千浩 山形大学, 理工学研究科, 助教 (30613765)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / アクセプター性材料 / オールプラスチック太陽電池 / クロスカップリング反応 / 直接アリール化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高性能なオールプラスチック太陽電池開発を目指し、優れたフラーレン代替材料の開発を行う。それを実現するために、第一にフラーレン代替材料の「分子構造-分子特性-太陽電池特性」を系統的に解析し、フラーレン代替材料の分子設計指針を確立することが本研究の目的である。 平成26年度、スティレカップリング反応を用いて、優れたアクセプター性を持つペリレンビスイミド骨格を中心骨格に据えたドナー/アクセプター型低分子群を合成した。ドナーユニット構造による分子特性のチューニングを実施し、「分子構造-分子特性」の相関性を見出すことに成功した。 平成27年度、ペリレンビスイミド骨格を含むドナー/アクセプター型交互共重合体群を直接アリール化反応により合成した。高分子に関しても、構造制御による分子特性のチューニングを達成し、「分子構造-分子特性」の相関性を見出した。さらに、微小角入射広角X線散乱によりペリレンビスイミド骨格含有低分子および高分子のナノ構造解析を行った結果、分子構造と熱アニーリングでナノ構造を調節できることを観察した。また、ペリレンビスイミド骨格含有低分子、高分子ともにフラーレン誘導体と同程度のLUMO値を示したことから、フラーレン代替材料として機能することが期待できる。 以上、スティレカップリング反応および直接アリール化反応を用いたペリレンビスイミド骨格含有分子群の系統的合成により、当該分子群の「分子構造-分子特性-ナノ構造」の詳細な関連性を見出すことに成功した。本成果は、フラーレン代替材料の分子設計指針の確立に大きく貢献するものであると考える。
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