2015 Fiscal Year Annual Research Report
リボフラビンを用いた光学活性高分子・超分子群の合成と機能性キラル材料への応用
Project/Area Number |
26810068
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
飯田 拡基 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30464150)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | リボフラビン / 機能性高分子 / 超分子集合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の天然由来のリボフラビン(ビタミンB2)誘導体を酸化的カップリングさせることにより、フラビン環の8位がエテニレン架橋で連結した光学活性ビスフラビン誘導体を合成した。得られたビスフラビン誘導体は拡張されたπ電子系を有し、単量体のフラビン誘導体とくらべて吸収波長が長波長シフトするとともに、紫外光照射下で鮮やかな黄色の蛍光を呈することが明らかとなった。さらに、得られたビスフラビンの3位をアルキレン架橋することにより、ビスフラビン部位を有する新規高分子の合成に成功するとともに、環状オリゴマーがあわせて生成することも明らかとした。 また、リボフラビンのOH基をカルバメートで保護することにより、種々のリボフラビンテトラカルバメート誘導体を合成し、得られた誘導体がクロロホルム中でゲル化を形成することを見出した。メタノールの添加によりゲル化が阻害されることから、テトラカルバメート誘導体は分子間水素結合を形成して集合体を形成していることが示唆された。 さらに、リボフラビン誘導体を側鎖に導入したペリレンビスイミド誘導体を合成した。様々な溶媒中で吸収スペクトル測定を行った結果、貧溶媒の割合が増えるにつれて大きな淡色効果が見られ、ペリレンビスイミドが疎溶媒効果により自己集合したことが明らかとなった。円二色性(CD)スペクトル測定の結果、会合体が大きなコットン効果を示すことが分かり、一方向巻きに片寄ったらせん状積層構造をとる超分子集合体を形成していることが示唆された。 これらの研究で得られた光学活性な高分子や超分子集合体は、キラルなフラビンの集積構造に由来する特異な不斉触媒能や不斉センシング能などが発現すると考えられ、新しいキラル材料として応用が期待できる。
|
Research Products
(6 results)