2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26810104
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三石 雄悟 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 主任研究員 (70645879)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 太陽エネルギー / 光触媒 / 酸化物半導体 / 可逆レドックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光触媒の表面構造制御の重要性を明確化するために、形状制御された酸化タングステン粉末を調製し、光触媒性能を評価した。特に望まれない副反応である、生成したFe(II)イオンの再酸化過程による性能低下が露出結晶面の制御により抑制できるか評価した。さらに、可視光を利用可能な新材料の開発および性能向上を目指した取り組みを行った。 本年度は、昨年度に続き、さまざまな形状を有する酸化タングステン粒子の作製を試みた。その結果、酸化面と還元面を分離した結晶性の良好な酸化タングステン粒子の作成に成功した。しかし、光触媒性能は球状に近い無定形粒子で最も高い性能が得られた。逆反応についても、形状制御の恩恵は得られなかった。この要因としては、形状制御するため、様々な鋳型材料を添加、もしくは熱処理を苛酷に設定したため、性能低下につながる表面や結晶内部の欠陥形成が起こり、性能が低下したと考えられた。 新材料の開発については、酸化鉄と酸化インジウムを複合化させた半導体で、500nmまでの幅広い可視光領域を利用できる新材料の開発に成功した。可逆レドックスとしてヨウ素やバナジウムイオンを利用できることが確認でき、最終的にZスキーム水分解の酸素発生触媒としても機能することを明らかにした。 また高性能な光触媒の一つとして知られるビスマスバナデートのさらなる高性能化を行った結果、ガリウムイオンを添加する新規な調製法を開発することで、従来法よりも3倍程度高い性能を実現した。450nm照射下での量子収率は30%を超え、太陽光エネルギー変換効率でも0.65%と粉末光触媒を利用したエネルギー変換反応の中では最も高い値を実現した。
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Research Products
(9 results)