2014 Fiscal Year Research-status Report
多孔性カーボンモノリスへのヘテロ原子の導入と新規電極材料への応用
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26810123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 丈二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (60726412)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炭素材料 / ドープ / 多孔性材料 / モノリス電極 / キャパシタ |
Outline of Annual Research Achievements |
相分離を伴うゾル-ゲル法により作製した、マクロ多孔性レゾルシノール-ホルムアルデヒド(RF)ゲルに炭素化・炭酸ガス賦活処理を施すことで、高比表面積を有するマクロ多孔性カーボンモノリスを作製した。得られた試料を封管中で、尿素・赤リン・ピロ亜硫酸ナトリウムとともに加熱処理し、それぞれ窒素・リン・硫黄ドープされたカーボンモノリスを作製した。加熱によりそれぞれの化合物が分解もしくは昇華することで発生したガスと炭素表面との反応により、高い割合でヘテロ原子が導入された活性炭モノリスを得ることができた。 さらに、炭素材料への窒素および硫黄原子の導入において、上記以外の化合物との反応により、様々なカーボンモノリス試料を得た。これらのヘテロ原子が導入されたカーボンモノリスの表面化学構造をX線光電子分光測定により詳細に調べた結果、反応させる化合物の種類や反応温度を変化させることで、異なる表面化学構造を有するカーボンモノリスを得ることができることが分かった。 前駆体カーボンモノリスおよび窒素・リン・硫黄をそれぞれドープしたカーボンモノリスをバインダーフリーのモノリス型電極として用い、ヘテロ原子ドープのキャパシタ容量に対する影響について調べた。その結果、ヘテロ原子の導入により、電流―電圧曲線に疑似容量に起因できるような酸化還元ピークは確認できなかったものの、単位比表面積あたりの容量は増加することが分かった。容量の増加の程度は、導入したヘテロ原子の種類に依存し、また、電解液の種類にも影響されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
窒素に加え、リン・硫黄原子をカーボンモノリスに導入することに成功した。さらに、それらの試料をモノリス電極として用い、ヘテロ原子ドープのキャパシタ容量に与える影響について知見を得ることに成功し、研究は期待通りに進展したと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き種々の化合物を用い、カーボンモノリスへのヘテロ原子の導入実験を行い、随時、キャパシタ電極としての性能評価を行う。また、RFゲルの重合系において、ミセル鋳型法によるゲル骨格中へのメソ孔の導入を試みる。その後、メソ孔の有無による電極容量への影響について調べる。さらに、メソ孔を作製したカーボンモノリスについてもヘテロ原子の導入を行い、リチウム-硫黄電池正極としての性能評価を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年4月から所属変更にかかる引っ越しが見込まれたため、平成26年度に購入予定であった物品の内、比較的運搬が困難なもの(管状炉など)の購入を平成27年度に遅らせた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に購入予定であったサイズの大きな物品を平成27年度に購入予定であった物品に加えて購入する予定である。
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