2014 Fiscal Year Research-status Report
新規XAFS解析法によるバイメタリックナノ微粒子の平均3次元構造の明確化
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26810127
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Research Institution | Toyota Central R&D Lab., Inc. |
Principal Investigator |
西村 友作 株式会社豊田中央研究所, 分析部量子ビーム解析研究室, 副研究員 (10581423)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線吸収分光法 / 原子配置 / バイメタリックナノ微粒子 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイメタリックナノ微粒子(BMNP)は表面積が大きいことに加え,異種金属間相互作用,サイズ効果等により特異な物性を示すことから,機能性材料として不均一系触媒,燃料電池用電極触媒,量子ドット,ナノ磁石等の広範な用途への応用が期待されている.より高性能な材料を開発するためには,性能とBMNPの幾何構造,電子構造との関係を見出すことが肝要である.本研究では原子レベルの局所構造,電子構造がわかるX線吸収分光法に着目し,材料・デバイスが作動している条件で同分析を行うことで上述の関係を見出すことを最終目標としている.
2014年度はX線吸収スペクトルから原子配置を評価する解析手法を開発した.BMNPとして異なる原子配置(PdPt合金およびPdコアPtシェル)のPdPtナノ微粒子を用いた.ノイズの少ないスペクトルを得るために,冷凍機を用いて極低温でPdPtナノ微粒子のPd KおよびPt L3吸収端でX線吸収スペクトルを取得した.カーブフィッティング解析により局所構造情報(種々の原子間距離,配位数)を求めた.配位数の組に合わせるように順々に原子配置を入れ替える解析手法を確立し,配位数の組に合う原子配置を評価できるようにした.また求められた配置について全原子計算を行い,実測値と計算値とが良い一致を示すことを確認した.2015年度は本研究で確立した解析手法を,具体例として自動車排ガス浄化触媒の実作動条件分析に適用し,触媒性能と構造との関係を議論したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り,局所構造情報に基づく解析初期モデルの決定およびX線吸収スペクトルから原子配置を求める解析手法の開発を行うことができた.また2015年度計画分の実作動条件における評価も予備検討として実施し,原子配置と反応性との間に相関があることを確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2015年度は,上述の解析手法を自動車排ガス浄化触媒の実作動条件分析に適用し,触媒性能(反応性)と構造・原子配置との関係を議論する予定である.
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