2015 Fiscal Year Research-status Report
ポリマー系繊維強化複合材料の一貫セルフモニタリング機能解明と信頼性・耐久性向上
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26820002
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
竹田 智 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究員 (70451531)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複合材料力学 / スマート複合材料 / カーボンナノチューブ / 高分子材料 / 破壊 / 損傷 / 電気伝導 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スマートポリマー複合材料(カーボンナノチューブ(CNT)分散ポリマー接着層を有する繊維強化複合材料)の一貫セルフモニタリング機能を理論・実験両面から解明し、信頼性・耐久性向上を図るものである。得られた主な成果を要約すると以下の通りである。 1. 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層材料を多層CNT(MWNT)分散エポキシ樹脂により接着したスマートポリマー複合材料試験片を作製し、モードI破壊試験(双片持ちはり(DCB)試験)・その場き裂観察・電気抵抗測定(上下CFRP表面に電極を作製し、DCB試験片厚さ方向の電気抵抗を測定)を行って、破壊靱性のCNT含有量依存性や電気抵抗とき裂進展挙動との関係を解明した。また、き裂進展による電気伝導ネットワーク遮断メカニズムをモデル化した電気抵抗変化予測手法を開発し、スマートポリマー複合材料試験片の電気抵抗変化を求めた。破壊靱性は、CNT含有量に依存して変化した。一方、き裂進展に伴う電気抵抗変化は、CNT含有量に依存せず、予測結果は実験結果と良く一致した。 2. スマートポリマー複合材料のDCB試験片を用いてモードI疲労試験・その場き裂観察・電気抵抗測定を行い、疲労負荷を受ける場合のき裂・電気抵抗挙動を評価した。また、スマートポリマー複合材料のき裂進展に伴う電気抵抗変化に関する理論的予測手法を応用し、疲労試験中の電気抵抗変化に関する実験結果に理論的検討を加えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スマートポリマー複合材料の静的破壊・損傷モニタリング機能に関する理論的・実験的研究を行い、順調に成果を挙げている。また、疲労負荷を受ける場合についても検討を進めており、興味ある結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
疲労試験や疲労破壊・損傷に伴う電気抵抗変化に関する理論的検討等を継続し、着実にデータを取得していく。また、引き続きセルフモニタリング機能に関する理論的・実験的検討を行い、先進複合材料・構造の信頼性・耐久性向上に資する知見の獲得を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、平成26年度の研究を効率的に進めたことに伴い発生した未使用額の一部である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、今後の実験に用いる試験片や消耗品等の購入経費として効果的に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)