2016 Fiscal Year Annual Research Report
Origin of wearing phenomena of DLC surface during cutting work
Project/Area Number |
26820026
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
児玉 謙司 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60508208)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 摩耗 / X線分光 / 表面界面 / 切削 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高真空ビームラインでの使用を念頭においた,ダイアモンドライクカーボン損耗のリアルタイム変質を計測するための装置を立ち上げた。本装置は,真空チャンバー内部で回転するDLC試料に金属圧子を接触させ,損耗箇所にX線ビームを照射させるものである。大気中に設置されたDCサーボモータの回転を磁気回転シールを介して真空チャンバー内に導入し,回転軸上に設置した試料を回転させる。また大気中に設置されたパルスモータの回転を,ボールねじ駆動の直線導入を介して金属圧子を動作させる。X線照射は,チャンバーに取り付けられたゲートバルブの開閉により制御する。 X線によるリアルタイム計測により表面化学的結合の損耗をミリ秒,ピンポイントで計測する際,同時に摩擦係数変化を計測し,両者の関係を調べる必要があった。そのため6kHzのサンプリング周波数を有する高速応答トルクメーターを試料回転軸に設置し,一定荷重状態でのトルク変動から摩擦係数のミリ秒変化を求めることができた。 本年度,本装置を利用し放射光施設でX線吸収実験を行う計画であったが,施設利用ビームタイム確保ができなかった。そのため,研究室にて摩擦係数の時間変化計測を実施し,表面の損耗について調査した。 本装置により,X線吸収スペクトルから求められる表面の化学結合の損耗状態のミリ秒変化を,摩擦係数のミリ秒応答と比較してリアルタイム現象をみることが可能となった。研究の成果は総合技術研究会2017,実験装置「動的摩耗分析システム」加工部の設計及び製作について,にて報告を行っている。
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