2014 Fiscal Year Research-status Report
自己校正型ロータリエンコーダを利用した絶対形状測定システムの開発
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26820028
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 余範 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (10586316)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロータリエンコーダ / 自己校正法 / 形状計測 / 平面 / 球面 / 自由曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面の局部傾斜角度検出器としては、オートコリメータを利用したシステムが多く開発されているが、測定光のビーム径が大きいことによる形状測定の空間分解能が低い、低反射率の表面の測定が困難、角度測定のダイナミックレンジが限られる、といった問題点があり、測定可能な対象は限られている。本研究では、オートコリメータを用いずに、表面の局部傾斜角度を自己校正型ロータリエンコーダにより間接的に測定できる新たな局部傾斜角度測定システムの確立し、平面から数m程度までの曲率を持つ表面形状(自由曲面)を数nmの絶対精度で測定できるシステムの構築を目指している。これまでに以下の測定システムを開発した。 測定システムにおいては、まず口径1~2 mm程度のレーザビームをペンタミラーの反射を介して測定対象の表面に照射する。次に、ペンタミラーをステージにより走査し、レーザービームを対象表面上でスキャンさせる。ここで、ペンタミラーを用いることにより移動ステージのピッチングエラーをキャンセルすることができる。ハーフミラーから切り出された対象表面からの反射光を、ミラーの反射を介して、レンズとポジションセンサにより角度検出システムに入射させる。ポジションセンサは、レンズの焦点面に置かれており、ペンタミラーの走査に伴い局部傾斜角度が変化すると、センサ上のビームスポット位置が変化するが、本提案システムでは、局部傾斜角度が変化してもスポット位置が変化しないように、ミラーの角度を変化することによりフィードバッグ制御する。ミラーの回転角度は、オートコリメータを用いて測定する。そして、このフィードバック制御されたミラーの回転角度により対象表面の局部傾斜角度を測定する。開発してシステムにより,測定横分解を大幅(従来6mm程度から1-2mm程度)に改善した.また、平面基板の形状測定を行った結果、1nm以下の再現性が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、従来のオートコリメータの測定光から、レーザービーム角度の変化をミラーの回転角に変換するシステム(フィードバック制御システム)を導入し、表面形状の局部傾斜角度の変化をミラーの回転角として、間接的に測定できる測定システムを開発した。 ただし、現在ミラーの回転角度をオートコリメータを介して測定している。オートコリメータでは、測定範囲に限界があるため対象となる表面は平面に限られる。本年度は、ミラーの回転角度を自己校正型ロータリエンコーダを用いて測定することにより、測定対象を平面から自由曲面(局部傾斜角度10度以内)へ発展させたシステム開発に取り組んでいる。本年度中の自己校正型ロータリエンコーダを利用した絶対形状測定システムの開発が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
自己校正型ロータリエンコーダを搭載した角度検出システムを開発し、所有する国家標準器(精度:5×10^-8 ラジアン以下)を用いて、角度検出システムの精度評価を実施する。また、開発システムと異なる測定装置との比較測定を実施することにより提案手法の妥当性検証を実施する。
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Causes of Carryover |
実験使用施設の大規模改修作業(約半年)が発生したため、予定していた自己校正型ロータリエンコーダの開発を平成27年度に移行した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
自己校正型ロータリエンコーダシステムの開発費
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