2015 Fiscal Year Annual Research Report
数値計算と定性推論を融合したモデルベース設計検証理論の研究
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26820035
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高本 仁志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 主任研究員 (30613244)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | システムシミュレーション / モデルベース設計 / 設計工学 / 1Dシミュレーション / モデリング / シミュレーション / 定性推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
製品開発においては従来、開発中の製品の機能を検証するために実機(プロトタイプ)による試験を実施してきた。モデルベース開発とは、実機による検証試験のみに頼らず、製品の機能や構造、挙動を計算機上に記述したモデルを用いて、その機能を検証する方法であり、この方法は世界の製造業、特に自動車メーカや航空機メーカに導入されつつある。近年、モデルベース開発を支援する技術(例えば製品内の物理現象と制御論理を並行したシミュレーション技術や製品の構成要素の接続関係を定義することで簡単にシミュレーションを可能にする非因果的モデリング技術等)が開発されているにも関わらず、製品の全体構成や大局的挙動を分析する技術が不十分なため、製品の全体性能を決める製品開発初期段階において、モデルベース開発の効果が十分に発揮されていない。具体的には、モデルの挙動を定量的に計算(シミュレート)する手法では、モデルが持つ膨大な数の変数のそれぞれの変化を示す断片的な情報のみしか得られず、製品全体の挙動を理解・検証するには不十分であることが課題である。本研究の目的は、モデルベース開発における製品全体の挙動を理解するための方法論を研究するものである。本研究では、製品の定量的な挙動を導出する数値計算手法に加え、数値計算に用いられる微分代数方程式上の変数間の関係を用いて推論を行う定性推論手法を活用することで特徴的な変数の挙動を抽出し、複雑な製品の挙動を単純化させる手法を開発した。本研究の期間中、当手法をドライブラインモデルや風車システムモデルに適用し、機能検証を実施した。学術論文や学会発表などを通じて当手法の成果発表を行った。また、国内外のモデルベース開発の研究者を訪問し、本研究成果の今後の応用方法等に関して有益なコメントを得た。
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