2015 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ・ナノサイズの流れにおける複雑流体の流動挙動の解明
Project/Area Number |
26820041
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
牛田 晃臣 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10582976)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 微小孔 / 圧力損失 / 水 / 界面活性剤水溶液 / 希薄高分子水溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,マイクロサイズ・ナノサイズの微小孔を通過する複雑流体の流動特性を精密に検討することを目的としている. 2年目となる今年度(平成27年度)は,昨年度までに完了していない実験(1マイクロメートルオーダーの微小孔を通過する水の流動特性)の実施,および,複雑流体を用いた実験(1マイクロメートルオーダーの微小孔を通過する界面活性剤水溶液・希薄高分子水溶液の流動特性)を実施した. 水を用いた実験では,昨年度,実験を行った10マイクロメートルオーダーの微小孔と同様の傾向を示し,1マイクロメートルの微小孔においても予測値から大きく外れる実験結果を得た.また,10マイクロメートルオーダーの微小孔と比較し,予測値からの減少率も大きくなり,特異挙動が強く発現していることを確かめることができた.また,流量検定や圧力計の検定を頻繁に行い,実験結果の信頼性も確かめた. 一方,界面活性剤水溶液の場合,添加する対イオンとのモル濃度比により流動挙動が異なり,高分子水溶液の場合,比較的濃度の高い水溶液において,圧力変動が大きくなる不安定挙動を確認することができた.また,染料を混合した試験流体による可視化実験を行い,微小孔上流部に生じる不安定渦を確認することができ,この渦挙動と圧力波形挙動がおおむね対応することから,本現象が上流部に不安定挙動に起因する可能性を考察した. 以上の結果を基に,査読付き論文発表(3報),国際会議発表(1件),国内学会発表(8件,関連内容を含む)を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度,作製・校正を行った実験装置に問題は見られず,試験流体を水から複雑流体(界面活性剤水溶液,希薄高分子水溶液)に変更しても正常に動作している.また,今年度は1マイクロメートルオーダーの微小サイズの流れ場を使用しているが,定期的に,流量検定・圧力検定を行い,測定データが正しいことも確認している.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの実験結果を踏まえ,新規性の伴う結果を積極的に発表していく.また,現時点で行っていないナノサイズ(1マイクロメートル以下)の微小孔を通過する流れについても検討する.
|
Causes of Carryover |
実験に使用する消耗品が計画よりも安価であったこと.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実施する実験に使用する.
|