2015 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル自動車用SCRシステムにおける未規制物質の排出量制御手法に関する研究
Project/Area Number |
26820061
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 進 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (50443289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 排気 / 後処理 / ディーゼルエンジン / NOx |
Outline of Annual Research Achievements |
ディーゼル自動車では,エンジンから排出される粒子状物質(PM),窒素酸化物(NOx)について,燃焼技術の改善のみにより同時低減することが困難であるため,排出ガス浄化のために後処理装置が装着される。PMを除去するためのDPF(Diesel Particulate Filter)や,NOxを浄化するための選択式触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)システムなどがそれに当たる。SCRシステムは,システム内に設置した触媒に還元剤を供給することで,そこで生じる反応により排出ガスに含まれるNOxを浄化する技術である。現在は尿素水を排気管内触媒前に噴射し,尿素水から分解して生じるアンモニアを還元剤として使用し,NOxと反応させ浄化する尿素SCRシステムが主流である。 しかしこの尿素SCRシステムには多くの問題点も存在する。 そこで本研究では,SCRシステムにおける未規制物質の排出機構解明と低減方法の提案を目的として,触媒温度,排出ガス組成,触媒の材質,担持金属種,還元剤の種類が炭化水素を還元剤とするSCRシステムのNOx浄化効率,N2Oに代表される未規制物質の排出特性に与える影響を調査した。 排気後処理模擬装置を製作し,ZSM-5の銅ゼオライトを用いて試験を行った。 その結果,銅担持量が増加すると,最大NOx還元率は減少する傾向にあり,これは触媒へのNOx吸着量が減少するためであった。銅担持量が少ない場合には,COや未規制物質が還元されず排出量として増える傾向となった。これらの結果から,NOx還元率を確保しつつ,CO,未規制物質の排出をある程度抑えるためには,適切な銅担持量が必要であることが明らかになった。
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