2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of thermophotovoltaic generation system based on selective radiation heat transfer using radiant energy wasted in iron manufacturing process
Project/Area Number |
26820068
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
熊野 智之 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80435437)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 希土類酸化物膜 / セラミックコーティング / 選択放射 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は、前年度に引き続き波長変換部の放射特性について研究を行った。H27年度において、釉薬をベースとしたEr系酸化物膜について、スラリーにおけるEr2O3の割合の増加とともに膜構造は石灰釉をベースとしたバルク体からEr2O3焼結体の多孔質体へと変化し、放射率はその変化の境界値付近で最大となることが明らかとなった。また、XRD測定より、Er2O3と石灰釉の反応による生成物はCaEr4(SiO4)3Oであることも判明した。本研究で提案する波長変換方法では、希土類元素の種類によって選択的に放射する波長を変更することができる。例えばYbのピークは1μmにあり、Si系PVセルの感度波長とマッチする。H28年度は、当初の研究計画に基づいて希土類元素をErからYbに変更し、同様の研究を行った。当初、ランタノイドの性質からYb2O3を用いた場合も結果に違いは生じないと考えた。しかし、石灰釉との反応によって生成される化合物がCaYb4(SiO4)3OとYb2Si2O7の2種類存在することが示され、膜構造がバルクから多孔質へと変化する組成もEr2O3の場合とは異なることが判明した。実際の発電モジュール波長変換部にはYbを用いるため、具体的なモジュール設計の前にこの物理理的なメカニズムを解明することが必要であった。このため、当初の計画ではH28年度中には発電ユニットの試作・評価を実施する予定であったが、ErとYbのコーティングによる物性の違いについてさらに研究を進めることとした。その結果、酸化物粒子の粒径を制御しても膜の物性は変化しない一方、元素によって石灰釉との反応過程に違いが現れる可能性が示唆された。このような希土類元素に関する知見は学術的にも興味深く、希土類元素の放射性を利用する際の新しい材料開発にも繋がると期待される。
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Research Products
(2 results)