2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820073
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土田 崇弘 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (50707578)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不規則振動 / 信頼性解析 / 非ガウス性不規則励振 / 応答分布推定 / 等価非ガウス励振化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,非ガウス性不規則励振を受ける非線形系の信頼性解析手法を開発することを目的としており,初年度は,以下の2点の内容を実施した. 1.シミュレーションによる非ガウス性不規則励振を受ける系の応答分布の調査 有効な信頼性解析手法の着想・検討のため,非ガウス性不規則励振を受ける系の応答分布をモンテカルロ・シミュレーションによって求め,得られた結果をもとに,励振の分布形状とパワースペクトルの帯域幅・卓越振動数の違いが,応答分布に及ぼす影響について調査を行った.励振の非ガウス分布やパワースペクトルのパラメータの範囲については,広い範囲を対象として計算を行い,解析手法の開発時に考慮すべき応答特性を整理した. 2.応答分布推定手法の開発 非ガウス性不規則励振を受ける系の応答分布を求める解析手法の開発・検討を進めた.手法の開発に際しては,ガウス性励振を受ける非線形系の非ガウス応答分布推定手法の1つであるGaussian Sum Approximationの方法を拡張した.この手法においては,推定する応答分布は,異なる平均・分散をもつ複数のガウス確率密度関数の重み付き和で表される.その分布に含まれるパラメータは,系の運動方程式と励振の確率微分方程式から導出されるモーメント方程式から決定される.本研究では,任意の非ガウス励振分布を対象としており,このとき,励振の確率微分方程式の拡散係数は複雑な形となる.これに関して,その拡散係数を近似的に等価拡散係数で置き換える手法である等価非ガウス励振化法を提案した.以上の方法により得られた応答分布をモンテカルロ・シミュレーションの結果と比較し,広い範囲の励振分布形状と励振帯域幅の場合に,信頼性解析の際に重要となる裾の部分まで,精度の良い解析結果が得られることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,非ガウス性不規則励振を受ける非線形系の信頼性解析手法を開発することを目的としており,初年度は,その目的を達成するために,「1.シミュレーションによる非ガウス性不規則励振を受ける系の応答分布の調査」および「2.応答分布推定手法の開発」を実施した.1.については,励振の様々な分布形状およびパワースペクトルのパラメータの範囲で調査を行い,今後の研究を進める上で有用となる多くの知見を得ることができた.2.についても当初計画していた実施内容を概ね遂行することができた.しかし,共振現象の観点から重要となる励振の卓越振動数の考慮については,十分に達成できなかったため,平成27年度に実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に実施を計画している「1.信頼度関数の導出」および「2.励振の分布やパワースペクトル特性の変化が系の信頼性に与える影響の考察」を予定通り進めていく.この際,平成26年度から継続して,励振の卓越振動数を考慮した非ガウス不規則励振系の応答分布推定の研究も合わせて実施する.
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Causes of Carryover |
平成26年度請求額については,主に本研究課題を遂行するために必要となる物品購入に充てる予定であったが,研究室で既に保有している設備を活用したため,当初予定していた物品購入額を下回ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究を通して得られた成果をより広く発表していくために,論文掲載費や旅費(学会参加費,国際会議参加費)として使用する予定である.
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Research Products
(6 results)