2014 Fiscal Year Research-status Report
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26820079
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
武田 量 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90645095)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 膝関節 / 靭帯再建術 / 可動範囲 / 支持力 / 評価装置 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度，本研究では膝関節靭帯再建術及び人工靭帯を評価するための装置を開発した．まず，万能材料試験機（島津製作所製）と膝関節固定用治具からなる実験装置を設計・開発・製作した．万能材料試験機の先端と関節固定用治具間には力覚センサ（株式会社ワコーテック製）を介し荷重を測定できるようにした．関節固定用治具には回転ベアリングとリニアベアリングを内蔵し，膝関節の５自由度を任意に固定・解放することを可能とした．この治具の機構により万能材料試験機によって与えられる垂直変位により，膝関節の屈曲伸展動作を実装することに成功した．さらに，膝関節モデルの大腿骨固定部と脛骨固定部には加速度/角速度センサ（株式会社ATR-Promotions製）を取り付け，それぞれの相対的な位置姿勢を計測可能とした．この装置の完成により研究計画記述の「膝関節靭帯再建術評価装置の作成」の目標を達成した．
本年度は上記の装置を用いて実験を実施した．実験では膝関節の代替モデルとして医療用樹脂膝関節モデル及び豚膝モデルを用いた．代替モデルは北海道大学付属病院の整形外科の協力・指導の元で作成した．このモデルを用いて，研究計画記述の「異なる膝関節靭帯再建術が膝関節可動範囲に及ぼす影響及び支持力の測定」を実施した．膝十字靭帯を構成する前十字靭帯（ACL）と後十字靭帯（PCL）には異なる機能を備えた帯束（Bundle）が存在する．したがって，本研究では代替モデルに特定の靭帯束欠損状態を再現し，膝関節靭帯再建術評価装置に設置して実験を実施することで，特定の靭帯束が膝の可動範囲と支持力に及ぼす影響の解明を試みた．結果，靭帯束の状態により５自由度の可動範囲及び６軸の支持力に差異が確認された．
来年度は，本年度得られた成果を国内外の学術会議で発表すると共に研究計画に記述されている残りの項目を計画的に進めて行くものである．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は「膝関節靭帯再建術評価装置の開発」である．
この研究目的を達成するため「研究計画・方法」では以下の４項目を挙げた：（A）膝関節靭帯再建術評価装置の作成，（B）異なる膝関節靭帯再建術が膝関節可動範囲に及ぼす影響及び支持力の測定，（C）異なる人工靭帯材料が膝関節可動範囲に及ぼす影響及び支持力の測定，（D）膝関節靭帯損傷評価に用いられる徒手検査法の定量化．これらの項目の内，本年度実施予定であった（A）と（B）は無事完了した．
今後は，得られた成果を国内外の学術会議で発表すると共に研究計画に記述されている残りの項目を計画的に進めて行くものである．
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度は「研究計画・方法」で挙げた：
（C）異なる人工靭帯材料が膝関節可動範囲に及ぼす影響及び支持力の測定：実験装置に異なる力学特性を持つ人工靭帯を装着し，膝関節の可動範囲と支持力を計測
（D）膝関節靭帯損傷評価に用いられる徒手検査法の定量化：前十字靭帯の安定性試験に用いられる徒手検査法であるPivot Shift検査手法の定量化．Pivot Shiftが発生するメカニズム及び発生させるためのメカニズムを解明する．
を計画的に進めて行くものである．また，得られた成果を国内外の学術会議で発表すると共にインパクトファクターのついた学術誌に投稿する予定である．
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| Causes of Carryover |
本年度は主に計画通りに経費を使用したが，予定していた実験消耗品が計画より若干少なかったため，8,197円が次年度使用繰り越しとなったものである．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究計画が本年度より多くの実験を行う予定のため，実験用消耗品に使用する．
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