2015 Fiscal Year Research-status Report
レーザー治療のための照射部温度センシング技術の開発
Project/Area Number |
26820081
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
関 健史 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80565317)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 温度計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,平成26年度に構築した試験装置を用いて,生体組織の加熱温度と熱変性によって変化する生体組織の光学特性の関係を明らかにするために必要な検証実験を行った. はじめに,約20~80度まで10度刻みで温度調整した生理食塩水中で一定時間加熱し,熱変性が平衡状態となった鶏胸肉の表面に対して,光ファイバプローブを用いて白色光(波長域:360~2000 nm)を照射および反射光を受光し,分光器(波長域:200~1120 nm)によって反射光強度の変化を計測した.その結果,鶏胸肉の加熱温度が40度以上になると反射光強度も増加し始め,50~60度付近における反射光強度が最も増加し,70度以上になると増加が緩やかになる傾向を示すことを確認した. 次に,レーザー照射による熱変性によって変化する光学特性をリアルタイムに計測するための実験システムとして,(a)生体組織にレーザーを照射するレーザー治療装置,(b)生体組織へのレーザー光の伝送および反射光受光を行う光ファイバプローブ,(c)反射光強度を計測する分光器,(d)被照射部の温度計測のための熱電対回路,および(e)これらを一括して制御するPCを実験システムとして構築した.予備実験として,空気中の鶏胸肉に対してレーザーを照射したところ,照射部の温度と反射光量の変化を同時に取得できることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に記載したとおり,おおよそ計画していた内容を実施することができていると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に行った検証試験の結果をもとに,反射光強度の変化から生体組織の加熱温度を推定する手法を導出し,また,レーザー照射による熱変性で変化する反射光強度をリアルタイムに計測し,照射部温度と光学特性の動的変化の関係について検証する予定である.これらの検証試験で得られた結果をもとに,レーザー照射部の温度を推定する手法を導出することを考えている.最後に,その推定手法の有効性を検証するために,熱電対などの市販センサで同時に計測した温度結果と推定結果との誤差を求め,推定式の評価を行う.
|
Causes of Carryover |
参加予定していた学会に参加できなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は実験に必要な部品の購入や資料収集旅費,成果発表の旅費として使用する計画である.
|