2015 Fiscal Year Annual Research Report
ピペットの高機能化とマイクロ流体チップの組合せによるより任意な局所環境制御
Project/Area Number |
26820084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野川 晃佑 名古屋大学, 高等研究院(工), 特任助教 (30608881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,バイオアクチュエータの特性解析(および制御)などのために,より任意かつ動的な局所イオン/化学物質濃度変化を生成可能な局所環境制御システムを提案する.すなわち,マイクロピペットとマイクロ流体チップを組み合わせたシステムを構築し,μM~pMオーダの濃度分解能およびミリ秒~十ミリ秒オーダーの時間分解能で,任意かつ動的に局所環境制御を行うことが出来る技術の開発を目的としている. 前年度までに,これまでのWorld-to-chip interface(WtCI)を有するマイクロ流体チップとマイクロピペットを用いた局所環境制御システムを改善するとともに,課題をより明確化するために,性能を定量的に評価し,μMオーダの濃度分解能および百ミリ秒オーダー以下の時間分解能は達成出来ていることが示された.それと同時に,拡散に起因してピペットからイオン/化学物質が漏れ出し,ピペット先端部での濃度低下による局所環境制御の応答性・安定性低下を引き起こす問題があることも明らかとなったため,今年度は,ピペットの高機能化を行なった. ここでいう高機能化とは,マイクロピペット先端からのイオン等の漏れを防ぎ,操作者の意思に応じて可逆的に噴出のOn/Offが可能となる蓋の様な構造を設けることである.操作に配線が不要であり,熱的な影響も考慮しなくて済むことから,光による操作を目標とした.イオン等の漏れの観点からゲル系の材料は不可のため,光による可逆的な操作の観点からフォトクロミック材料の検討を進めた.フォトクロミック材料は,可逆的な動きは達成されているものの,大きな構造変化と微細加工技術の両立は確立されていないため,実際にジアリルエーテン系材料,アゾベンゼン系材料について検討・実験を重ねたが,実現には至らなかった.
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