2014 Fiscal Year Research-status Report
筋特性を考慮した最適制御と筋電フィードバックによる外骨格型ロボットのアシスト制御
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26820090
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
寺前 達也 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 専任研究員 (60626828)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 制御システムの構築 / 2リンクロボットへの最適制御の適用 / 拮抗筋を考慮した最適制御の実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は外骨格型ロボットによる筋の性質と反射を活用した歩行アシストを目的としている。そのため、筋モデルを組み込んだ最適制御システムを構築し、アシストロボットへ実装することが必要となる。本年度は検証実験に用いる2リンクのアシストロボット実験機の製作と筋モデルを考慮した最適制御の枠組みを構築することが課題となっていた。実験機に関しては所属研究室で所有していた肩、肘、手首の3リンクを持つ上肢外骨格型ロボットを活用し、リーチングタスクを行うこととした。その際、本研究では使用しない手首関節の固定装具の製作やロボットを制御する制御基盤、PC等をセットアップし、駆動実験を行い検証のための実験環境を整えた。これにより、リーチングタスクにおいて提案手法が人にとって妥当な軌道、力を生成しているかが検証可能となった。また、最適制御の枠組みに関しては、これまで1リンクモデルで実装していた制御システムをを2リンクモデルに拡張し、さらに扱うエアマッスルの数を増やし、人における拮抗筋を考慮できるようにシステムを変更した。この拡張した最適制御システムを2リンクの上肢外骨格型ロボットを用いて駆動実験を行い、提案する最適制御が多リンク系にも適用可能であることを確かめた。また、人の筋モデルの一つとして拮抗筋を用いたスティフネスを調整パラメータとして扱うよう手法を改良し、関節における柔らかさを最適制御によって最適化可能なことをシミュレーションで検証した。これによって人特有の柔らかい動作が最適制御によって考慮することができるようになり、本研究の目的である歩行アシストのための手法として有用であることが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画に示した検証用ロボットの製作は所属研究室が有する3リンクの上肢外骨格型ロボットを活用することで、新たに構築した制御システムで駆動実験を行い、検証実験が可能な環境が整えられた。つぎに筋モデルを考慮した最適制御の検討は多リンクモデルへの拡張と拮抗筋モデルを加えることで、人特有のスティフネス変化を考慮できるようになり、アシスト制御のために重要な人関節の柔らかさを考慮した最適制御の構築が行えた。以上の結果より、本年度の計画は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
筋モデルについて現在は拮抗筋を用いたスティフネス特性のみを考慮しているため、今後は人が発揮可能なトルク上限やトルク発揮までの時間遅れなどの制約条件をモデルに組み込み、最適制御によって最適トルク入力を求める。また、EMGとトルク間の筋モデルを構築し、最適制御で得られた最適トルク入力と筋モデルを用いたEMGフィードバックを組み合わせたアシスト実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初、提案手法の妥当性検証のため実験機を作成予定であったが、所属研究室にあった2リンクの上肢外骨格型ロボットを活用することで同等の実験が可能であることが判明した。そのため、実験機作成のため必要であった部品購入費分を次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の実験では最終段階として歩行アシストを行う。その際、アシストロボットとして所属研究室が有する下肢外骨格型ロボットを使用する予定であるが、現状のスペックでは必要なアシスト力が得られない可能性が高い。また、足底が平らなため歩行タスクには向かない。そこで、エアマッスルの再選定や足底の再設計などを行い、実験機作成に充てていた部品購入費でこれらの改良に必要な部品や制御に必要なPCパーツなどを購入する。
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Research Products
(2 results)