2015 Fiscal Year Research-status Report
EV・HEV駆動用高効率レアアースフリーモータの開発
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26820093
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| Research Institution | Akita University |
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Principal Investigator |
吉田 征弘 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60725399)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 永久磁石モータ / フェライト磁石 / 減磁 / トロイダル巻線 / 銅損 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，リラクタンスネットワーク解析（RNA）による，フェライト磁石モータの減磁解析手法の構築行った。希土類磁石を用いないレアアースフリーモータの実現のため，フェライト磁石を用いたモータを考察対象としているが，フェライト磁石は減磁しやすいため，フェライト磁石モータを最適設計する際には減磁解析が必要となる。そこでフェライト磁石の減磁曲線を二直線で近似し，RNAに適用することで減磁を考慮した解析が可能となった。提案する手法を用いて，簡易モデルによるフェライト磁石の減磁解析と実験を行ったところ，計算値は実測値と概ね一致し，高い計算精度であることが示された。
また，同時にフェライト磁石モータの回転子形状の検討も行った。昨年度は，モータ損失のうち，銅損を低減可能な固定子形状としてトロイダル巻線方式の検討を行い，既存のフェライト磁石モータに比べ銅損を低減できることを確認した。しかしながら，希土類磁石を用いたモータと比較すると銅損が大きいため，フェライト磁石モータの回転子形状を表面磁石形から埋込磁石形に変更し，更なる銅損低減を図った。埋込磁石形回転子にしてリラクタンストルクを有効に利用することで，銅損を30%低減することができた。
固定子にトロイダル巻方式を採用し，回転子形状を埋込磁石形にすることで，従来の分布巻方式の固定子を使ったフェライト磁石モータに対して，銅損は約75％低減することができた。また，最大トルク時の減磁解析を行ったところ，フェライト磁石は減磁していないことも確認した。今後は本研究成果を基にモータを試作し，実験による検証を行う。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの検討により，従来の分布巻固定子を用いたフェライト磁石モータに対し，銅損を大幅に低減できることが示されたが，希土類磁石を用いたモータと比べるとトルクが不十分なため，低速回転領域では希土類磁石モータと同等の効率は未だ実現できていない。そこでフェライト磁石モータの更なるトルク向上が課題となり，磁石配置やモータ形状のケーススタディにより多くの時間が必要となったため，モータの設計にやや遅れが生じた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果に基づき，まず，トロイダル巻線を採用した固定子を試作し，モータの効率測定実験を行う。既存の分布巻モータの効率と比較することで，提案するトロイダル巻線による銅損低減効果を実証する。次いで，RNAによる減磁解析の精度検証を行うために，モータに過電流を流し，強制的にフェライト磁石を減磁させる実験を行う。減磁前後の誘起電圧を測定し，実験値と計算値を比較することで，モデルの妥当性を確認する。
また，フェライト磁石モータの更なるトルク向上を目指し，磁石を3次元配置にして最適設計を行う。
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| Causes of Carryover |
本年度の予定では，トロイダル巻による銅損低減効果を確認するためにモータの固定子を試作する予定であったが，計画がやや遅れたため試作を次年度の予定に変更することになったため，次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの検討結果に基づき，トロイダル巻モータを試作する。回転子は，初期検討に用いた表面磁石形に加えて，埋込磁石形も作成し，トルク向上効果を実証する。本研究で得られた成果を電気学会マグネティックス研究会，電気学会基礎・材料・共通部門大会，日本磁気学会学術講演会で発表する予定である。
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