2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820100
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
王 旭東 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (20550346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高温超伝導 / 高機械強度 / 高磁場 / 超伝導磁石 / ひずみ / 電磁界解析 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Y-based Oxide superconductor and Reinforcing Outer Integrated(YOROI)コイル構造は、Y系高温超伝導線材の強度のみに依存するのではなく、ローレンツ力を巻線外周に配置された枠材を介して、巻線を上下から挟み込む側板に伝えることで、巻線に加わる応力を軽減できる。そこで平成26年度は、YOROIコイル構造を円形コイルに適応し、内径45 mmで外径54 mmのYOROIモデルコイルを設計・製作してローレンツ力印加時のひずみ評価試験および数値モデルの構築・解析評価を行い、実験と数値解析の両面からYOROIコイル構造の補強効果の検証し、実験との比較により解析モデルの妥当性を確認した。そして、YOROIコイル構造の上下側板の厚みをパラメータとして、高温超伝導電磁石の高機械強度設計技術の開発に向けて応力分担効果の実験と解析評価を行った。ひずみ評価試験では、真空断熱のクライオスタットにYOROIモデルコイルを設置し、30 Kまで冷却した後に、高磁場応用を想定して10Tの外部磁場を印加した状態でモデルコイルを30 Aまで励磁してコイル内外層およびYOROI補強材のひずみを測定した。YOROIモデルコイルの数値モデル構築および解析は、まず外部磁場印加状態を想定したローレンツ力解析のための電磁場解析モデルを作成し、コイル内に発生するローレンツ力分布を詳細解析した。そして、応力ひずみ評価のための構造解析モデルを作成し、電磁界解析で得られたローレンツ力分布を代入して、コイル内部の詳細な応力ひずみ分布を解析した。その結果、本研究により初めてYOROIコイル構造の詳細な応力ひずみ分布の実験データが得られ、高精度の数値モデルの構築に成功した。本研究成果は2014 年度秋季低温工学・超電導学会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績にあるように、平成26年度の実施成果は当初予定の通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、数値解析により実規模の大口径高温超伝導コイルのYOROIコイル構造を適応した際の補強効果の検証を行い、1.2GPa(B×J×R計算、従来設計の2倍以上)の高機械強度と200A/mm2(従来設計の2倍以上)の高電流密度を両立できる高温超伝導電磁石の高機械強度設計ツールの開発を目指す。 一方、予算の関係上当初予定していた非円形モデルコイルの設計、製作および試験は行わない。
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Causes of Carryover |
当初見積額との僅かな差額により生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究会議のための出張費用として使用する。
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Research Products
(3 results)