2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松本 洋和 福岡大学, 工学部, 准教授 (40526406)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 効率改善 / 省エネ / モータ駆動 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが提案している昇圧形モータ駆動装置について1.制御特性の改善と2.電解コンデンサを用いた場合の動作についての研究を行った。具体的には以下の通りである。 1.制御特性の改善:提案する駆動装置におけるこれまでの電圧制御方法は、空間ベクトル変調(SVM)と呼ばれる手法を用いて行っていた。SVMは汎用性は高いが演算量が多いため、制御周期が長くなり制御特性は良くなかった。そこで、キャリア比較によるパルス幅変調(PWM)を使った制御法(可変キャリア比較法)を提案した。本提案方式は、キャリアと参照値の比較を行うだけで電圧制御を行うことができる。本制御方式を実装し実験を行ったところ、SVMと同等の制御性能を発揮しながら、演算時間を半分以下に抑制できることを確認した。また、従来の昇圧形モータドライバに比べて、サイズと重量を低減した上で効率を8%程度改善できることを確認した。 2.電解コンデンサを用いた場合の動作検証:これまでは昇圧機構のコンデンサとして電気二重層キャパシタ(EDLC)を使用していた。このコンデンサは容量が大きいという利点があるが、コストが高く、内部抵抗が高いなどの欠点があった。そこでEDLCの代わりに一般的なコンデンサであるアルミ電解コンデンサを使用することで、これらの欠点を補う研究を行った。EDLCに比べてアルミ電解コンデンサの容量は小さいという欠点のために電圧変動が大きくなるが、シミュレーションによって、問題なく動作できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
制御特性の改善は、当初実現できないと考えていたため、研究の計画には入れていなかった。しかし、これを実現する制御方法を考案することができたため、急遽本研究に取り入れることにした。その結果、若干の研究の遅れが生じてしまったが、それに見合う良好な結果(提案する駆動装置の制御特性の大幅な改善)を得ることができた。 また、実験装置の都合により平成27年度に行う予定だった研究の一部(電解コンデンサを用いたコスト低減)を当該年度に前倒しして行い、一方で当該年度に行う予定の研究の一部(弱め界磁制御の導入)を平成27年度に行うことにした。このスケジュールの入れ替えによる研究の遅れは発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度に入り研究は順調に進んでいる。電解コンデンサを用いた時の効率改善効果の確認も済ませており、6月に行われる学会で発表予定である。オブザーバを用いたセンサレス制御の導入についてもシミュレーションによる検証は既に行われており、後は実験で確認するのみである。残る研究課題としては弱め界磁の導入およびその検証を行うだけであり、現在生じている研究の遅れを十分に挽回可能である。
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Research Products
(3 results)