2014 Fiscal Year Research-status Report
硫黄に腐食されない新しい電極構造を有した硫化物薄膜太陽電池
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26820118
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
百瀬 成空 長野工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (00413774)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シリサイド / 硫化物 / 薄膜太陽電池 / 裏面電極層 / 硫化防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,硫黄に浸食されない化学的安定性と良好な導電性を兼ね備えた下地電極層を,金属シリサイド系材料の活用を中心に開発し,これを硫化物薄膜太陽電池の性能向上につながるかを検証することを目的に遂行された.候補材料として単元素シリコンの検証から始め,ついでモリブデンシリサイド(MoSi2),さらにはその製膜条件,利用方法の精査にまで踏み込んだ.これら調査により,■Moの上に単体のSi薄層を硫化防止膜として用いるのは適さない,■MoSi2膜を堆積したまま利用しても硫黄侵入を防止できない,■MoSi2を550℃以上で加熱処理して用いると硫黄侵入を防止する膜へ変質する,■MoSi2単体で電極とした場合,Moと比べ充分な太陽電池性能を得られない,■MoSi2薄層とMo層とを組み合わせた電極を用いた場合に,太陽電池性能を引き上げる可能性が伺える,といったところまで突き止めることができた.ここまでの進展は申請書に記載した研究計画の通りと言える.上記の成果は,本課題の成果第一報として国際会議:The 5th International Symposium on Organic and Inorganic Electronic Materials and Related Nanotechnologies (2015. 6) へ投稿し,発表受理された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した研究計画の通りに実験は進んでいる.国際会議での発表受理は取り付けたが,さらに原著論文として成果をまとめられれば申し分ないと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の研究計画のとおり,今後は硫化物薄膜太陽電池の出力性能の増減に重きを置いて調査を進める.26年度に開発できたモリブデンとモリブデンシリサイドの複合電極層を,条件を変えながら作製し,これが硫化物薄膜太陽電池の性能に対しいかような得失を与えるかを調査する.
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Causes of Carryover |
未使用額56円は,ほぼ予算額どおりの執行と言える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬等の購入費の一部として使用の予定である.
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Research Products
(3 results)