2014 Fiscal Year Research-status Report
金属塩皮膜付与インサート材の創製と精密・低温接合への応用
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26820124
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 真司 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70414109)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 接合 / 液相拡散接合 / 金属塩生成接合法 / インサート金属 / アルミニウム / 銅 / チタン |
Outline of Annual Research Achievements |
小型化される電子機器のニーズの増加に伴いパッケージの多様化やCuを端子としたリード間ピッチの微細化が急速に加速し、自動車の数kmにわたる配線の軽量化のためにAl配線化が進められている。一方で電子機器の軽薄短小化のため、Alのほか、Tiも用いられるようになった。本研究では、接合阻害因子である酸化皮膜を低温で熱分解する金属塩に置換除去し、接合中の加熱により金属面を露出させる金属塩生成接合法を種々の金属間に適用した。 Cu/Cuの固相接合において、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩の順に表面改質効果が得られ、改質を施さなかった場合に比べ約10倍の接続強度の向上が確認された。さらにクエン酸塩とした場合には、50℃の大気中に曝露しても1週間以上、改質効果が持続することが明らかとなった。 A6061/A6061の固相接合において、低温では酢酸塩、高温ではギ酸塩が表面改質効果を有することが明らかとなり、いずれも金属塩生成接合法を適用しなかった場合に比べ2倍程度の接続強度の向上が確認された。 純Al/純Tiの固相接合において、A6061の直接固相接合を実施した場合と同様に、低温では酢酸塩、高温ではギ酸塩が表面改質効果を有することが明らかとなり、いずれも金属塩生成接合法を適用しなかった場合に比べ2倍程度の接続強度の向上が確認された。これは、酢酸塩がより低温で熱分解することで接続強度が向上するが、金属塩の熱分解により発生する各種ガスや微細な酸化物粒子がその後の接合プロセスにおいて、接合面間の密着化を阻害したためであることが分かった。 A5052/A5052の接合においてZnシートを適用した場合、Znシートに各種金属塩を生成させることで接続強度が向上し、生成させなかった場合に比べ約3倍の接続強度を有する継手が形成できることを明らかにした。これは、Al合金表面へのぬれ性が向上したためであることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では当初、金属塩の生成・分解反応を用いたCu/CuおよびAl/Alの精密固相接合を予定していた。しかしながら、金属塩生成処理条件の最適化と化学分析による裏付け及び接合強度への影響調査が終了したため、産業界でのニーズの高いTiの精密固相接合についても検討した。さらに平成27年度の研究対象である改質操作のドライプロセス化についても装置を試作し、Cuシートを中心に改質作用について検討を開始している。 よって、当初の計画以上に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに検討を開始している改質操作のドライプロセス化について検討を進め、より低温・低変形量で高い接合強度を有する接合部形成技術の開発を実施する。また、開発したドライプロセスによる金属塩皮膜付与パウダーの創製と改質効果の持続性評価を実施することで、本技術の汎用化を目指す。 一方で、接合技術を必要とする材料は多様化していることから、市場ニーズを調査することで対象とする材料の選定を行い、改質処理の実用化に向けた試験研究を進める。
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Research Products
(13 results)