2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造体形状への記憶を容量検出により読み出す高密度・恒久保存メモリ
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26820128
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三浦 典之 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (70650555)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デジタルアーカイブ / 恒久保存 / メモリ / ナノ構造体 / 容量検出 / 長期信頼性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)シリコン基板上のナノ構造体凹凸形状を用いた高密度の長期記憶素子構造を考案し、凹凸形状から保存データを読み出す容量検出回路と組み合わせたメモリのアーキテクチャを確立した。2)また凹凸形状による容量値の変化を解析するための等価回路モデリング手法を考案し、既存の標準的な回路設計ツールを用いたナノ構造体メモリ回路の設計環境を構築した。3)さらに一本の読み出しビット線下に配置される凹凸形状の発生頻度を均一化する符号化方式を考案し、任意の保存データを自動的に符号化してメモリ構造にマッピングするためのソフトウェアを開発した。4)上記3点の基盤要素技術を組み込んだ恒久保存メモリのプロトタイプを設計し、実際のシリコンチップ上に集積・製造した。製造したプロトタイプは現在、実測・評価中である。5)Peckの信頼性モデルに基づいて、千年を超える超長期信頼性を評価するための試験環境と評価フローを整備した。 1)は、ナノ構造体メモリの基本アイデアを具現化する最も基本的な要素技術として重要であり、現在特許申請の手続きを進めている。2)は、一般的な標準設計環境下での提案メモリの設計手法を確立したもので、技術の普及に寄与できる。3)は、メモリのビット読み出し精度を改善し、ひいては長期信頼性を高めることを可能とする技術であり、来年度に計画している長期信頼性試験にてその効果を実証する予定である。4)は、容量検出型ナノ構造体メモリの実現性の実証と、提案技術の有用性の定量的な評価を行うもので、アイデアの根拠となる物理メカニズムの実測に基づく解明にも寄与するものである。5)は、平成27年度に行う予定の超長期信頼性試験の環境整備を研究計画を前倒ししておこなったものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の平成26年度研究実施計画で目標とした基盤要素技術の確立については、計画通りに実行したものの、プロトタイプのシリコンチップの製造が当初計画よりも遅れたため、考案技術の実現性と有効性の実測・評価を平成26年度中に終えることができなかった。そこで、遅延したシリコンチップの製造期間中に、平成27年度に予定していた超長期信頼性試験の環境整備を前倒して行ったため、研究計画全体としてはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前倒しして整備した長期信頼性試験環境下で、平成26年度に達成できなかったプロトタイプチップによる機能の評価を、長期信頼性の評価と同時平行にて実施し、交付申請時の研究目標を達成する。平成27年度に製造予定の長期信頼性評価用のプロトタイプについては、製造業者を変更し、遅滞なく研究計画を推進できるよう対処する。
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Research Products
(1 results)