2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and application of delta sigma modulator using chaos
Project/Area Number |
26820131
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
井岡 惠理 青山学院大学, 理工学部, 助教 (50583564)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | カオス / デルタシグマ変調器 / 間欠性カオス / 分岐 |
Outline of Annual Research Achievements |
デルタシグマ変調器の正常時の出力状態がカオスであることから,2次カオスデルタシグマ変調器(カオスモジュレータ)の出力について,分岐解析を用いてカオス,周期点(リミットサイクル発振),発散の領域を判別した. また,リアプノフ指数によってカオスの定量化を試みた結果,分岐点近傍で間欠性カオスと不安定周期を持つカオスが出現することががわかった.さらに不安定周期点を持つカオスの時系列データの自己相関が出力が完全なカオスの場合のデータよりも高いことがわかった. 間欠性カオスは1次カオスモジュレータにおいても分岐点近傍に現れるが,2次カオスモジュレータでは未だその存在は発見されておらず,ノイズシェーピング特性との関連づけもなされていなかった.我々は,間欠性カオスの場合に見られるノイズ特性を示し,さらに間欠性カオスを経て完全なカオスに遷移する場合以外では,カオスと周期点の境界領域において不安定周期点が存在し,弱いトーンとなって信号帯域に現れることもFFT解析を用いて示した. これらをまとめた結果は論文誌International Journal of Bifurcation Chaosに2016年11月に掲載された.また国内での非線形問題の会合Numerical Bifurcation Analysisにおいて,学生と参加者向けの招待講演においてこれらの結果をまとめた報告を行った.したがって,本研究では2次カオスモジュレータの出力のカオス的な特徴を用いて動作状態の判別が可能であるということを示し,さらには2次カオスモジュレータでは発見されていなかった間欠性カオス構造の存在を明らかにした.
|