2014 Fiscal Year Research-status Report
3次元超広帯域リフレクトアレーの設計法と3Dプリンタを用いた製作法の確立
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26820137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 佳祐 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20633374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リフレクトアレー / スーパーコンピュータ / 対数周期ダイポールアレー |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、電磁界数値シミュレーション法の1つであるモーメント法を用いて、3次元リフレクトアレー素子の数値シミュレーションを行った。素子は対数周期ダイポールアレーを選択し、平面波をTM入射させたときの反射電界を数値シミュレーションした。数値シミュレーションを行った結果、反射電界の位相が素子サイズに対して概ね線形に変化することを確認した。また、RCS(Radar Cross Section)の数値シミュレーションを行い対数周期ダイポールアレー素子のRCSの3dB帯域幅が50%を超えることを確認した。したがって、対数周期ダイポールアレー素子から成るリフレクトアレーは、ある周波数で設計した時に、その周りの周波数でも広帯域に亘って動作することが確認できたと言える。 次に、大規模リフレクトアレーの高速設計法を構築した。配列に対する演算を一括して実行することができるベクトル型スーパーコンピュータと、行列方程式の解を反復処理で求めることのできる反復法を組み合わせ、高速化を図った。プログラムをチューニングし、99.5%以上のベクトル演算率を実現した。チューニングしたプログラムを東北大学サイバーサイエンスセンターのベクトル型スーパーコンピュータSX-9(8並列)で実行し、50×50素子の大規模リフレクトアレーを設計した。Intel Core i7 CPUで同様のプログラムを実行するのに要した時間と比較して、約1/100程度の計算時間で所望のリフレクトアレーが設計できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、初年度の目的である対数周期ダイポール素子の基本的な反射特性が確認できただけでなく、次年度に行う予定であった大規模リフレクトアレーの高速設計法の構築にまで至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の予定通り、リフレクトアレーの最適化法に関する研究を遂行する。また、リフレクトアレー素子の試作法に関する研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
謝金と計算機使用料の負担が予想を下回ったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は計算および実験を遂行する予定なので、次年度使用額は計算機使用料、実験用消耗品および謝金等に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)