2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元超広帯域リフレクトアレーの設計法と3Dプリンタを用いた製作法の確立
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26820137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 佳祐 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20633374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リフレクトアレー / スーパーコンピュータ / 対数周期ダイポールアレー |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、対数周期ダイポールアレーから成るリフレクトアレーを設計し、その特性の数値シミュレーションを行った。その結果、BRCS(Bistatic Radar Cross Section)の3dB帯域で60%を超える広帯域性を実現した。次に、設計したリフレクトアレーを3Dプリンタで試作し、そのBRCSを電波無響室内で測定した。その結果、設計したリフレクトアレーのBRCSは数値シミュレーション結果とよく一致した。以上のことから、設計したリフレクトアレーの広帯域性を明らかにすることができた。 つづいて、前年度に構築した大規模リフレクトアレーの高速設計法を応用して、マルチビームリフレクトアレーの設計や、リフレクトアレーの開口効率の改善を行った。東北大学サイバーサイエンスセンターのベクトル型スーパーコンピュータSX-ACEを用いた数値シミュレーションの結果、構築した設計法を用いて、素子間相互結合を完全に考慮しながら高速にマルチビームリフレクトアレーを設計したり、リフレクトアレーの開口効率を改善したりできることが分かった。 最後に、大規模なリフレクトアレーの設計に応用可能な数値シミュレーション法を構築し、その妥当性を数値的に明らかにした。数値シミュレーション法は、多層媒質のグリーン関数を用いたモーメント法から成り、誘電体と導体の相互作用を厳密に考慮することができる手法である。この手法で構築した行列方程式を高速に解くための手法の構築も行い、その妥当性も同時に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2年目の目的であるリフレクトアレーの試作と実験が行えただけでなく、前年度に構築した高速設計法をベースにして、リフレクトアレーの高機能化を実現するための最適化法を構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定通り、リフレクトアレーを用いた屋内電波環境の改善効果を明らかにすることや、リフレクトアレーそのものの高機能化、より高度な設計法などに重点を置いて研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
設備備品費と消耗品費が想定を下回ったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は最終年度であるので、成果発表のための旅費や論文投稿費、追加実験や検証のための計算機使用料および消耗品費・設備備品費などとして利用する予定である。
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