2014 Fiscal Year Research-status Report
画像情報に対するハイブリッド型多重情報ハイディングの研究
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26820138
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今泉 祥子 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (80535013)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報ハイディング / 電子透かし / 情報半開示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報ハイディング技術と情報半開示技術のハイブリッド化である。情報ハイディングと情報半開示を単純に組み合わせた場合、一方の効果が減少または損失する可能性がある。そのため、両者の機能を損なうことなく持続または向上させ、両者の特徴を同時に実現できる技術を研究している。 (1) HAM(Histogram Association Mapping)を用いた暗号化型可逆情報埋込法: 情報半開示処理と情報半開示処理を同時に行うことで、両者の効果を損失することなく、所望の画質と埋込情報量を確保する手法を研究した。本手法では、Original Partition内で画素値の置換処理を行う。従来よりも多くの情報ビットの埋込みが可能となり、暗号化強度の向上が示された。さらに、関心領域に対してHAMを施し暗号化することで、HAMをプライバシ保護に利用することも可能となる。 (2) JPEG2000符号化画像に対する可逆情報埋込法: 多様な階層構造を有するJPEG2000符号化列を対象に、各品質レベルでの改ざん検出機能を有効とする可逆情報埋込法を研究した。各レイヤ、および、各解像度レベルに、それぞれその特徴量となる情報(ハッシュ値)を可逆に埋め込むことで、どのレイヤ、あるいは、解像度レベルで改ざんが行われたのかを解明することができる。本手法を情報半開示処理に適用することで、柔軟な改ざん検出機能を有する情報半開示画像が生成される。 (3) 多様な画像形式に対する情報半開示法: ここでは、JPEG/モーションJPEG、JPEG2000、インデックスカラー画像を対象として、柔軟に画質を制御可能な情報半開示法を検討した。スクランブルの手法について置換、回転、移動など様々な観点から検討し、従来と比較してより実用性の高い情報半開示画像を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報ハイディングおよび情報半開示ともに、その機能を損なうことなく持続または向上させ、両者の特徴を同時に実現できる技術の研究を目的として順調に進展している。特に、ヒストグラムを用いて情報ハイディング処理と情報半開示処理を同時に施す手法について、当初の予定にはなかった良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
未公開の研究成果について、国際会議および海外ジャーナルへの投稿を行い、広く展開する予定である。 また、ヒストグラムを用いて情報ハイディング処理と情報半開示処理を同時に施す手法について、研究申請段階では予定されていなかったが、研究過程で非常に興味深い結果が得られているため、今後特にこの手法について注力していく予定である。
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