2015 Fiscal Year Research-status Report
集積回路設計のための高速・高精度な電磁界解析技術の研究
Project/Area Number |
26820139
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平野 拓一 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (60345361)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 等価媒質定数 / 集積回路 / 電磁界解析 / 誘電率 / ダミーメタル / 細線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、集積回路の高速・高精度な電磁界解析に関する研究を行うのが目的である。シリコンCMOSプロセス技術の発展により、ディジタル回路のみならずマイクロ波・ミリ波帯高周波アナログ回路のチップへの集積化が進んでいる。しかし、高度に集積した場合には回路ブロック同士の相互結合や干渉が問題となる。これらの問題は電磁界解析により予測できるが、チップの配線構造が複雑なため、実構造の電磁界解析は現在でも不可能である。本課題では回路ブロック同士の相互結合および干渉を評価するための高速・高精度解析に関する研究を行う。 平成26年度は等価媒質定数モデルの有効性および精度を確認した。また、線路などの等価媒質定数モデル化を想定して2次元細線周期構造の等価媒質定数モデルのシミュレーション解析を行い、有効性と精度を確認した。 平成27年度は誘電体基板を用いたマイクロ波帯(1 GHz~10 GHz 程度)での実測による理論の検証を行った。大きさ1mm角(周期2mm)および3mm角(周期5mm)のメタル配列を厚さ1.6mmのFR-4基板上に製作して4GHz帯方形導波管に挿入し、3枚および6枚基板を重ねたときの反射係数と透過係数の周波数特性を測定した。有限要素法によるシミュレーション結果と比較して、良好な一致が確認できた。 また、来年度に向けてオンチップアンテナ周囲のダミーメタルの等価媒質定数の計算を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画は誘電体基板を用いたマイクロ波帯(1 GHz~10 GHz 程度)での実測による理論の検証であった。大きさ1mm角(周期2mm)および3mm角(周期5mm)のメタル配列を厚さ1.6mmのFR-4基板上に製作して4GHz帯方形導波管に挿入し、3枚および6枚基板を重ねたときの反射係数と透過係数の周波数特性を測定した。有限要素法によるシミュレーション結果と比較して、良好な一致が確認できた。また、来年度に向けてオンチップアンテナ周囲のダミーメタルの等価媒質定数の計算を行った。おおむね計画通り進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度(H28年度)は、当初計画どおりミリ波帯(30 GHz~70 GHz 程度)での実測との比較により前年度までに確立した一様等価媒質による解析手法の有効性の検証を行う。
|
Research Products
(9 results)