2016 Fiscal Year Research-status Report
空間変調を用いて、与干渉成分を抑制し、かつ周波数利用効率の高いの無線通信の実現
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26820147
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石井 光治 香川大学, 工学部, 准教授 (50403770)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移動体通信 / 全二重通信 / 空間変調 / 協調通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1)個々の送信機が簡素である、2)低速、低遅延な通信が要求される、3)従来の通信と比べて非常に多くの数の機器が同時に通信を行う、という条件下において、いかに効率的な通信を行うのかを検討した。特に、空間変調の特徴を活かし、全二重通信の実装、および理論的検証を行った。詳細は以下である。 (1)全二重の実装に関しては、アナログ領域自己干渉キャンセラとして、アンテナ干渉除去、バラン回路を用いた干渉除去、サーキュレータを用いた干渉抑圧に関して実装し、それらの利点、欠点を実験的に示した。さらにそれらの特徴を理論へフィードバックした。 (2)空間変調を用いて、IoTやM2Mへの応用を目的とした超多端末マルチプルアクセス技術を構築し、高い効果が得られた。 (3)空間変調を用いた全二重通信の発展系として、複数の端末が協力する協力通信技術を構築し、その協調通信プロトコルの最適化、および理論的特性評価を行い、その有効性を示した。 (4)アンプ効率を考慮した空間変調として、空間変調を一般化空間変調へと拡張し、さらに非二元の位相振幅変調と組み合わせた。さらに、信号の冗長度を誤り訂正符号に用いて、信号と誤り訂正符号とを統合的に設計したことで、電力利用効率を改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果などは、当初の計画以上に得られることができた。概ね順調と評価した理由は、28年度が最終年度であったが、成果の論文誌への投稿に少し時間がかかり、結果として29年度の4月に2件の論文採用となり、年度を跨いだためである。
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Strategy for Future Research Activity |
空間変調の実装には、超高速スイッチングするためのデバイスが必要である。さらに無線通信で実装する場合には、送信フィルタの設計が必要不可欠であり、空間変調との統合的な設計を引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
研究成果の論文掲載が年度内に間に合わず次年度4月となるため、その掲載費用を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文誌へ以下2件が再録されており、その経費に使用。電子情報情報通信学会論文誌1件、システム制御情報学会1件
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