2015 Fiscal Year Research-status Report
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26820150
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
渡部 雄太 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 事業化支援本部多摩テクノプラザ電子・機械グループ, 研究員 (90707134)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | チップレスRFID / FDTD法 / 遺伝的アルゴリズム / トポロジー最適化 / フラクタル構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の周波数の散乱波の有無で通信を行うチップレスRFIDシステムでは,長距離・大容量通信のためにタグからの散乱波の増加,狭帯域で複数の周波数の散乱が必要不可欠である。そこでチップレスRFIDタグとしてフラクタル構造の一つである自己相似性をもつ線状タグを提案し,FDTD法と遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法によりタグ形状の最適化を行った。最適化により得られた提案チップレスRFIDタグは直線状や円状の従来タグと比較して高い電磁波の反射係数およびQ値をもつことわかった。これより提案チップレスRFIDタグは従来タグより長距離通信・大容量通信可能であると考えられる。提案チップレスタグの相似形状を用いることにより1 GHzから3 GHzの周波数帯域で水平・垂直偏波で5 bit(計10 bit)の容量をもつチップレスRFIDタグが得られることが分かった。 また,新しいチップレスRFIDタグの形状を得るために,トポロジー最適化を実施した。トポロジー最適化は長さや角度などのパラメータのみならず,トポロジー構造自体を変えて最適化できるため,従来の知見によらない形状を得ることができる。その結果1 GHzから2.5 GHzの周波数帯域で10 bitの通信容量をもつチップレスRFIDタグが得られることが分かった。 チップレスRFIDシステムを利用したチップレスセンサタグとしてクラックセンサを提案した。薄い金属薄膜で構成され,歪またはクラックなどでタグにクラックが入ると散乱周波数が大きく変化するため,その変化により歪を探知できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チップレスセンサタグに利用するチップレスRFIDとして申請時目標である10 bitのものを開発した。センサタグととして歪センサの一種であるクラックセンサを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
温度センサのためにサーミスタや温度による特性変化が大きいコンデンサを用いて散乱周波数の変化するタグの開発を行う。また,メタマテリアルを用いた歪センサの開発に取り掛かる。その後,ソフトウェア無線を用いた簡易リーダを作成し,チップレスセンサシステムを構築する。
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Causes of Carryover |
論文投稿を行っているが採択が次年度になったため,論文投稿費が今年度生じなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿費として使用予定。
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