2016 Fiscal Year Research-status Report
Intraoperative fractures prevention system for providing anxiety/safety to surgeons and patients
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26820160
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
酒井 利奈 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10383647)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 試作デバイス / 小型化 / 臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度に実施した研究の概要は,ヒトを対象に人工股関節を打ち込む際のハンマリング音を手術室内で集音・解析することが可能であるか確かめ,問題点を試作デバイスにフォードバックし改良を試みた.これば29年度から開始する臨床研究のパイロットスタディとして位置づけられる. 方法としてハンマリング音の集音と解析の手段にフーリエ解析を用いた.フーリエ解析は時間関数で表された信号を周波数領域に変換する解析手法である.周期関数であれば,F(ω)はf(t)の基本周波数の整数倍であるような周波数でのインパルスの重ねつき和となるが,インパルスに付けるべき重みはf(t)の1周期と関係したフーリエ係数となる.自己相関関数をフーリエ変換したものは,単位周波数あたりのパワースペクトルを表す.本研究では,1回の打ち込みによる衝撃波が0.4sであることから,短時間フーリエ変換STFTを行った.フォルマント周波数はパワースペクトルが最大の強度を示すときの周波数である.フォルマント周波数が3回同じ値を示した場合を収束と定義した. 機材は前年度よりさらに小型化しており,ハンマリング音を取り込み,フーリエ解析を行いパワースペクトルに変換し,振幅が最大となるピーク周波数を求め,連続判定をする処理をダブレット型PC(縦20cm×横13cm)1台で行った.予期される有害事象としては,手術室内へ持ち込むダブレット型PCが発生する電磁ノイズがほかの電子機器や人体に影響を及ぼすことが挙げられ,この点に関して持ち込むPCはEMCの基準をクリアしているものに変更した.なお,清潔を保持するためタブレットPCは滅菌環境下で使用でき,手袋をしたままスムーズな画面タッチが可能となる滅菌透明袋へ封入することを改めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
最終年度に予定している臨床試験のパイロットスタディを行うと同時に,力学試験を行い,定めた評価指標の確認を行った.並行して有限要素解析により大腿骨上の応力と打ち込み音の周波数との関連について考察することで、科学的根拠に基づいた客観的な評価指標として取り纏めた.これは全体構想としては最終年度に計画していた目的であり,おおむね計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果である小型デバイスを使用し,今年度再確認に至った評価指標に基づき臨床試験を行う.本臨床試験は,実用化に向けた実証実験までを視野に入れ,科学的根拠に基づく術中骨折予防法の確立を実現する.
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Research Products
(1 results)