2017 Fiscal Year Annual Research Report
Intraoperative fractures prevention system for providing anxiety/safety to surgeons and patients
Project/Area Number |
26820160
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
酒井 利奈 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10383647)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 術中骨折 / THA / ハンマリング音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,所属するIRBの承認を得て実施した(承認番号:B16-239). 対象は2017年8~11月に人工股関節置換術を施行した6例6関節,男性2例,女性4例,平均年齢66.1歳(54~81歳)であった. 1)手術室内の環境音計測,2)集音装置の選定,3)集音位置の検討,4)システムの改良,4点について取り組んだ. 1)において最大レベルを示したのは術者の声で24.3 dBであった.術者の声の周波数は117 Hz~1.21 kHzであり,ハンマリング音の周波数帯域93.7 Hz~11.5 kHzに重なることが明らかになった.2)集音装置は小型であること,未検出データが少ないことを条件とし,プラグ式単一指向性マイクロフォンi266が適当であると判断した.単一指向性は超指向性に比較して集音範囲を広くカバーできる性質を持つため,術者が壁となり音源からの回折した音を拾ったと考えた.3)集音位置を検討した結果,誤検出と未検出データの少ない位置は,患者の上肢であった.上肢側が優れていたのは,滅菌シートの上部からマイクロフォンを音源に向けることで,物理的な妨げがなく集音できたためである.4)システムの改良により雑音の主な成分である術者の声を拾わない機能を設け,改良後の集音においては誤検出が少ないことを確認した.術者の声は正弦派のような丸みを帯び,ハンマリング音は鋸波のような鋭い信号波形であったことから,波形を微分することで雑音とハンマリング音の差別化が可能となった.操作性の簡便さがシステムを利用する際の重要なファクターとなることが明らかとなった.
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