2014 Fiscal Year Research-status Report
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26820162
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩谷 靖 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (10400300)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御工学 / 計測工学 / 双対性 |
Outline of Annual Research Achievements |
双対性はシステム工学の中で重要な概念であり,制御理論における観測と制御の双対性や,最適化理論における主問題と双対問題などの対応として表れる。本研究課題は,既にある「ローカルな計測・予測・制御によりグローバルな性能の向上を狙うグローカル制御の概念」と研究代表者が提案している「大域的最適化と局所的最適化をフィードバック結合した計測手法」を双対性の観点から考察し,対応する系の数理的構造を明らかにする。これにより,大規模・複雑系の制御に対するシステム工学的基盤を確立し,新たな制御系設計指針を導出することを目的とする。 平成26年度は,最適化問題における双対性の考察と,検証実験の準備を行った。 研究代表者の提案しているビジュアルトラッキング手法は,下層空間における勾配法による局所的最適化と,上層空間における全探索による大域的最適化の二つの階層から構成される。大域的最適化の働きが,勾配法が局所最適解におちいることを防ぐなど,勾配法と全探索のデメリットが互いに打ち消されるように,お互いが補強しあう。すなわち,研究代表者が提案している「大域的最適化と局所的最適化をフィードバック結合した計測手法」は,ある種の最適化問題に帰着される。一方,これまでに他研究者から提案されているグローカル制御に関する制御系設計・解析手法は,主に安定性の観点から考察されており,最適化問題において,両者に直接対応する数理的構造が存在しないことが明らかになった。このことは逆に,研究代表者の提案する計測手法から,新しいグローカル最適制御問題を提案できる余地が存在することを意味する。 また,次年度の検証問題のため,研究室所有の移動ロボット(Q4 Quadcopter)の動作確認を行うとともに,GPUを用いた多点ビジュアルトラッキングのための画像処理の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度には,最適化問題における双対性の考察と,検証実験の準備を行うことを予定していた。前者からは,新たな制御方法を提示できる可能性を確認できた。後者も順調に進捗できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,計測・制御問題における双対性の考察と,検証実験を行う。
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Causes of Carryover |
効率的に研究を進めたため,使用額を当初予定より減じることができた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定している検証実験を効率化するための物品費として使用する予定である。
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