2016 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク系のノックダウン構造同定のための基礎理論の構築
Project/Area Number |
26820164
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鈴木 雅康 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10456692)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ネットワーク構造同定 / 制御システム理論 / システム同定 / 時系列解析 / カルマンフィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,動的システムが結合したネットワークに対し,観測される出力時系列ないし印加される入力時系列のデータを利用して,その内部構造を同定する手法の開発を進めている.ネットワークを構成するサブシステムの状態量をすべて同時に測定あるいは操作することは,システムの次元が大きくなるにつれて経済的にも技術的にも難しくなる.この観点から,本研究では,ノード数に対してセンサ数やアクチュエータ数が少ない状況を想定している.特に,非線形要素が含まれるネットワークの構造同定は挑戦的な課題であり,非線形時系列解析方法等を検討する必要があった. 平成28年度は,前年度に引き続き非線形システムのモデルが未知の場合に,観測データのみからノイズの影響を低減した時系列を再生する手法について研究を進めた.具体的には,局所線形予測法を核にした非線形時系列解析論と非線形カルマンフィルタ・粒子フィルタ論の双方より既存方法を選びそれらを融合させて,数理モデルレスの観測時系列の予測・スムージングを試みた.その際,手法の組み合わせについて以下のように複数のパターンを用意し, ・時系列解析:修正類推法,ヤコビ行列推定法,及びこれらに交差検証を取り入れた方法 ・フィルタ:拡張カルマンフィルタ(KF),アンセンテッドKF,アンサンブルKF,粒子フィルタ 具体的なデータ(数値実験によって生成したカオスシステムの時系列や気象に関する時系列)に適用して,性能を比較検証した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有向ネットワーク系の構造同定法の開発が遅れている.無向ネットワーク系に対する構造同定法はネットワークの対称性を利用しているが,非対称な構造に手法を拡張できていないことが原因である.非線形系に対しては時系列解析について進捗があったものの,構造同定については同様に遅れが生じている.補助期間を1年延長したので,本年度の成果をまとめ論文投稿するとともに,上記の点について研究を進める.
|
Strategy for Future Research Activity |
有向ネットワーク系を対象の中心に構造同定法の開発を進める.特に同定すべき構造に制限を設け,同定に必要な特徴量の抽出を急ぐ.また,非線形無向ネットワーク系に対し,線形無向ネットワーク系に対し提案した同定手法の有効性を検証する.
|
Causes of Carryover |
学術雑誌への論文投稿が遅れ,投稿費等が浮いてしまったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に論文投稿費として用いる.
|