2015 Fiscal Year Annual Research Report
センサ信号の確からしさを確率論に基づいて定量化する技術の確立と制御系構成法の提案
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26820167
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 健 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30346861)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パーティクルフィルタ / 確率分布 / センサ信号 |
Outline of Annual Research Achievements |
センサ信号に含まれるノイズの確率分布は、正常時には単峰のガウス分布であるが、異常時には分散の拡大や、非ガウス分布への変容などが生ずる。パーティクルフィルタ(PF)は、非ガウス性確率分布を近似推定可能であるため、センサの異常時のノイズの確率分布を適切に推定できる。そこで本研究課題では、PFによって推定されたセンサ信号の確率分布を解析することで、センサ信号の異常や逸脱の程度を定量化することを目指した。 そのためにまず、複数のセンサ信号が混合して得られるシステムにおいて、正常な信号と異常な信号を分別する手法を検証した。これは従来から提案されているPFのためのMAP(最大事後確率)推定手法の性能検証によって行った。この検証の結果、確率分布の形状によって、適切なMAP推定手法は異なることが見出された。すなわち、正常時には最小平均二乗近似法が計算量と推定精度について優れている一方で、異常時にはpf-MAP推定法が優位であることが見出された。この結果から、確率分布の概形と逸脱を定量化する手法の必要性が示唆された。 次に、確率分布の概形の変容を定量化する手法を構築するために、種々の信号とノイズ、PFの推定の時間変化を直接観察するためのビジュアライザを開発した。この開発により、種々の変容の場面でPFがどのような挙動を示すのかを詳細に検証することを可能とした。 最後に、このビジュアライザを利用して、確率分布の時間的な変容を定量化するための二種類の手法を開発した。一つ目は、PFの粒子分布をベクトル量子化し、任意の精度で粒子の重みつき分布密度を提示する手法であり、二つ目は、正常時と異常時の確率分布の類似度を尤度検定により定量化する手法である。前者の手法は、2次元の状態で有効に動作することを確認した。後者は1次元の状態で有効に動作することを確認した。さらに高次の状態推定への本手法の適用は今後の課題である。
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Research Products
(4 results)