2014 Fiscal Year Research-status Report
クラウド型リアルタイムフィードバック制御における静・動特性の向上手法の提案
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26820171
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
浅野 洋介 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70390416)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 通信外乱オブザーバ / 無線通信 / 変動むだ時間 / 定常偏差 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,実環境における無線通信モデルの解析結果をもとに,シミュレーションモデルに適用し提案制御方式である「可変スケーリング通信外乱オブザーバ」の実機実証実験を行った. 無線通信モデル解析については,無線スペクトルアナライザにより無線通信によるむだ時間の時間的推移を計測することが出来た.その結果,Bluetoothにおける無線通信のむだ時間は10~40msの範囲で周期性を持つことが確認できた.この解析結果をもとにシミュレーションシステムのむだ時間変動モデルの再構築を行った.そして,提案手法をシミュレーションにより検証し,有効性を確認することが出来た. 次に,実機実験により,提案手法の有効性を確認した.制御対象をDCモータ,無線通信デバイスをBluetoothとしてリアルタイムフィードバック制御系を構築し,実験を行った.前述のように,むだ時間が変動するため,通信外乱オブザーバのみの場合,モデル化誤差の影響から定常偏差が発生していた.これは,通信外乱オブザーバの出力部に残差が発生してしまい,等価的に目標値に変更が加わったためであると考えられる.通信外乱オブザーバの出力に指令値とフィードバック値の偏差に基づいた可変スケーリングを加える提案手法により,定常偏差を解消することが出来た. また,これまでに,通信外乱オブザーバと外乱オブザーバの併用は困難であるとされていた.提案手法を用いることで外乱オブザーバの併用が可能となることがシミュレーションにより検証された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに無線通信モデルの解析が行われ,シミュレーションおよび実機実験により提案手法の検証が行われているため,(2)おおむね順調に進展していると判断した.
また,これまでに通信外乱オブザーバと外乱オブザーバの併用は困難であるとされていたが,提案手法により可能性が見いだせた意義は大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に,DCモータ単体における提案手法の有効性を十分に検証することが出来た.2015年度は計画通りに,多自由度化しより産業用ロボットに近づけた形での有効性を検証する.そして,提案手法の適用拡大のために,遠距離を想定した小型ヘリコプターの制御と画像フィードバック制御での検証を実施する. また,外乱オブザーバの併用についても可能性が見いだせたことから,提案手法の更なる改善も行う.
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