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2015 Fiscal Year Research-status Report

小児用人工心臓実現を目的とした磁気軸受システムの研究

Research Project

Project/Area Number 26820172
Research InstitutionNumazu National College of Technology

Principal Investigator

横山 直幸  沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (90710591)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords人工心臓 / 血液 / 磁気軸受 / 循環器 / 心疾患 / 遠心ポンプ
Outline of Annual Research Achievements

平成27年6月18日付けで、ドイツ製・単回使用体外設置式補助人工心臓ポンプ「EXCOR Pediatric 小児用体外設置式補助人工心臓システム」の製造販売が承認されたことにより、本邦の小児循環器医療において新しい治療方法が確立することとなった。当該システムは、従来の投薬治療や外科手術及び人工心肺を用いた補助循環では治療効果が望めなかった患児を対象として、心移植までの橋渡しあるいは心機能の回復を目的として長期間使用されるもの(VAD: Ventricular Assist Device)である。つまり、開心手術時や急性心不全への治療用として用いる小児用の人工心臓(CPB: Cardio Pulmonary Bypass,ECMO: Extra Corporeal Membrane Oxygenation)は本邦に存在していない。さらに、上述のBerlin Heart EXCOR Pediatricは旧式の拍動型人工心臓であり、循環器医療において世界的に主に使用されている小型で低侵襲な連続流型人工心臓ではない。
そこで本研究では、体重10kg未満の小児心疾患患児に対する開心手術時の人工心肺(CPB)、中長期の機械的補助循環(ECMO)への応用を目的とした連続流型の磁気浮上式人工心臓の開発および評価を行っている。
昨年度までに、小児の体循環流量と血圧を駆出可能であり血液適合性の高い(低溶血、低血栓)人工心臓血液室形状の設計および試作、連続流ポンプのインペラを血液室内部で磁気浮上させる磁気軸受の設計および試作が完了している。
本年度は、試作した磁気軸受の制御機構に関する評価を行った後に人工心臓システムを完成させ、磁気軸受を構成する永久磁石と電磁石が血液に及ぼす影響についての検討を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

予算の都合で、磁気軸受制御システムにおける渦電流センサ信号から電磁石への通電をコントロールするハードウェアには既製品を用いず、自作でハードウェアとソフトウェアの設計を行っている。このため、当初計画では平成27年度中にデバイスと制御システムが完成する予定であったが、現時点では磁気軸受システムの試作が完了した状態である。
本年度、試作した磁気軸受システムの評価を行い、遠心ポンプインペラの磁気剛性が適正であると確認された後、インペラに回転トルクを付与するドライブ機構の設計に移行する予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度はまず、磁気浮上するインペラに対して回転トルクを付与する機構の追加を行う。当初の予定では、ダイレクトドライブ方式により薄型軽量のシステム実現を目標としていたが、試作段階では市販DCモータを用いたマグネットカップリング方式によりインペラに回転力を伝達するものとする。本開発においては、研究教育の観点より、当該研究者の運営する研究室所属学生を補助として設計と評価を行うものとする。

Causes of Carryover

当初予定していたダイレクトドライブモータ設計までの開発が進まず、当該機構を試作するための物品費を使用できなかった。また、人工心臓システム評価として行う予定であった血液実験の一部、学会発表などに着手することができなかったため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度は、27年度に行うことができなかったダイレクトドライブ機構に代わり、マグネットカップリング方式でインペラを回転させる機構の設計および試作を行う。これに伴い、DCモータおよびドライバ、マグネットカップリング用磁石などを購入予定である。
また、試作システムが完成した後には、豚新鮮血液を用いたin Vitro溶血試験を行う。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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