2016 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetic bearing system aiming at application to pediatric artificial heart
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26820172
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
横山 直幸 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (90710591)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工心臓 / 磁気軸受 / 血液 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の小児心臓血管外科医療において、臨床での使用が認可されている唯一の人工心臓システムであるベルリンハートEXCOR Pediatricには、1)第1世代の補助人工心臓(体外設置型・拍動流型)である、2)心臓移植までの橋渡し使用に限定されており、先天性心奇形手術時における人工心肺装置としての使用ができない、などの課題がある。一般に、定常流型の人工心臓と比較して拍動流型の人工心臓では血液適合性(溶血特性・抗血栓性)が劣るとされており、特に血液総量の少ない小児では人工心臓による赤血球損傷(溶血)が致命的な問題となることも知られている。一方、成人の心疾患に対しては、磁気浮上型や動圧軸受型などの接触ベアリングを持たない第3世代人工心臓が開発されており、成人の重症心不全患者に対する有用性が報告されている。そこで本研究では、小児の血液循環に最適な血液ポンプ形状を有すると共に、磁気軸受を搭載した血液に対して低侵襲な「小児用磁気浮上式血液ポンプ」の開発と評価を行った。 人工肺、脱血・送血カニュレを接続すると共に、小児血液循環を補助・代替できるポンプ性能として、インペラ回転数:3000[rpm]において、流量:1.0[L/min]、揚程:200[mmHg]を仕様とした遠心ポンプ(血液室、インペラ)を設計し、接触式軸受けとマグネットカップリングによるモータトルク伝達機構により試作1号機を製作した。これを用いて水力試験・溶血試験を行い、血液室形状とインペラ形状の妥当性が確認された。 試作1号機のインペラを非接触的に血液室中心で磁気浮上させるため、インペラ内部にサマコバ永久磁石を内包し、インペラ外周に純鉄コアの電磁石を4個設置することで磁気軸受の設計を行った。ポンプ内に生理食塩水を充填してインペラが回転した条件下で評価実験を行った結果、磁気によるインペラの安定浮上が確認された。
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