2015 Fiscal Year Research-status Report
硫酸作用を受けたセメント系材料のミクロ-メソレベルの緻密化・膨張破壊モデルの開発
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26820177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三浦 泰人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10718688)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 硫酸塩劣化 / 剛体バネモデル / 硫酸塩劣化予測解析 / 水和反応モデル / 拡散 / 二水セッコウ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究内容を実験的検討および解析的検討にわけて以下に記載する. 【実験的検討】 セメント水和物と硫酸イオンとの反応により生成する代表的な析出物である二水セッコウの力学試験を行った.その目的としては,生成した二水セッコウがどのような力学的性質を有しているのかを確認し,解析的検討に反映することである.二水セッコウは,焼きセッコウと水を反応させて作製した.本年度は二水セッコウの大まかな力学挙動を把握することを目的として,水和反応中の外部拘束の有無,力学試験時の湿潤状態を評価した.その結果,外部拘束,湿潤状態のいずれも二水セッコウの力学的性質に多大な影響を及ぼすことがわかった. 【解析的検討】 本年度の検討としては,昨年度構築した化学-力学連成解析システムにおいて様々な感度解析を行い,本解析システムの妥当性を確認した.さらに,水和反応モデル,ひび割れ内の硫酸イオンの拡散などを導入した.これらの成果をまとめて,国際会議に投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,目的としていた緻密化・膨張破壊モデルの開発において重要な二水セッコウの力学情報を把握するとともに,硫酸塩劣化に伴う膨張ひび割れ進展挙動を評価可能な手法を構築してその妥当性の検証を行った.当初計画の進捗と同程度であると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度までにメゾレベルの領域における力学試験,緻密化・膨張破壊モデルの構築,化学-力学連成解析の一連の骨格が完成し,特に,本解析の妥当性においては十分に検討がなされた. 平成28年度は,緻密化・膨張破壊モデルの構築に必要な二水セッコウの力学的性質を評価し,マクロレベルの力学試験により,化学-力学連成解析の検証を行う.また,平成27年度までの成果を国際会議で発表する予定である.
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Causes of Carryover |
初年度は解析的検討を中心に行う方針に切り替えたことで,実験的検討の進捗が遅れていた.H27年度は実験的検討も取り組んではいたが,実験用の物品費が多少少なくなったしまったものと考える.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度では,実験的検討も精力的に行う予定であるため,H27年度に生じた多少のあまりは最終年度の物品費として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)