2014 Fiscal Year Research-status Report
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26820178
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐川 康貴 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10325508)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルカリシリカ反応 / ASR / 補修 / アルカリ溶脱 / 膨張量 / 加速試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,アルカリシリカ反応(ASR)に対する補修を行ったコンクリートの補修効果を判定する手法を構築するため,コンクリート角柱供試体(コンクリートプリズム)を用いた促進試験として,RILEM AAR-4 “Detection of potential alkali-reactivity - Accelerated method for testing aggregate combinations using concrete prisms” の問題点を明らかにするとともに,新たに試験方法を提案し,加速試験方法のあり方について研究した。 具体的には,供試体からのアルカリ溶脱と水分供給を制御した新たな試験法(AW-CPT 法)でASR 膨張挙動の温度とアルカリ量への依存性を検討した。75×75×250mm のコンクリートプリズムを作製し,脱型後から30±5 分間水中浸漬し吸水させ,その後直ちに供試体長さを測定し基長とした。コンクリート中の細孔溶液アルカリ濃度に近い濃度のNaOH 水溶液50g を吸水させた不織布を供試体に巻き,その上から非透水性のラップで包むことにより供試体のアルカリ溶脱と水アルカリラッピングした供試体は,湿潤環境にしたステンレス容器内に格納し,それぞれの温度条件で養生した。その後,促進期間2,5,10,15,20,26 週で長さ変化を測定した。なお測定24 時間前に20℃の恒温室に移し温度20℃条件下で測定を行った。測定はダイヤルゲージ法で行った。また,測定ごとに不織布を50g の吸水状態になるように水を吸水させた。 その結果,AAR-4 法の問題点であったアルカリの溶脱は抑えることができ,ASR補修効果を判定するための加速試験方法として有用な方法であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,ASRの補修効果を判定する試験方法は規格化されておらず,判定手法の構築が求められている。本年度提案した方法により,ASRの温度やアルカリ量への依存性を確認することができた。したがって,研究計画は概ね順調に進展している。今後,実際に補修工法を適用した試験体での評価が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
供試体からのアルカリ溶脱と水分供給を制御した新たな試験法(AW-CPT 法)により,補修工法を適用したコンクリート試験体の加速試験を実施する。加えて,これまでにASRに対して補修が行われた構造物または部材を選定し,調査を行うとともに,補修効果の検証を行う。
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Research Products
(1 results)