2014 Fiscal Year Research-status Report
簡易熱源を用いた局所熱処理による鋼橋溶接部の耐疲労性向上に関する研究
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26820184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣畑 幹人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50565140)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 溶接 / 残留応力 / 疲労 / 熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
複雑な三次元形状を有する鋼橋の溶接部に対し,残留応力の低減により疲労寿命を向上させることを目的とし,小型で簡易な熱源を用いて現場で施工できる局所熱処理技術の開発を目指し検討を実施している. 26年度は,鋼橋の溶接部をモデル化した実験供試体を作製し,簡易熱源を用いて熱処理実験を行うと共に,実験を非定常熱伝導・熱弾塑性解析によりシミュレーションする手法を構築した.鋼橋において疲労き裂の発生事例が多い閉断面補剛材を有する床版構造を対象に,閉断面の外側から熱処理が行えることを熱伝導解析により確認した.また,実験と熱弾塑性解析によるシミュレーションにより,溶接部の残留応力が低減される効果を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した熱処理のシミュレーション手法を構築することができ,これを用いて実験供試体の熱伝導特性を明確にすることができた.また,簡易熱源による残留応力の低減効果を定量的に示すことができ,計画通り進行していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に構築したシミュレーションモデルと実験供試体を用いて,溶接部を熱処理した供試体の疲労寿命向上効果を検証するための疲労試験を行う.また,対象構造物において適切に熱処理を行うための加熱および保持条件を示すために,加熱領域や入熱量をパラメータとした解析を行う.
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