2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森口 周二 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (20447527)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 落石 / 個別要素法 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに得られていた木製の落石模型実験を発展させ,落石形状がより複雑な条件で実験データを蓄積した.また,その蓄積された実験データを対象として,個別要素法による再現解析を実施した.解析の中では,落石形状の表現精度を様々に変化させ,形状表現精度が解析結果に及ぼす影響を詳細に調べた.実験結果と解析結果の差を定量化するための手法に関する検討を行い,その結果に基づいて定量化された実験結果と解析結果の差を分析することにより,要素サイズ比と要素重合比という指標を定義し,これらの2つの指標で表現した空間内に置いて,工学的に必要とされる解析条件を議論できる可能性を示した.現段階では,小規模な木製の模型実験との比較という限定された条件であるため,解析結果の信頼性を完全に満足する指標のレベルまでは達していないものの,今後の検証を通じて,実務レベルで使用可能な指標となる可能性がある.また,形状精度に関する2つの指標で作られる空間上での評価の有効性をより詳細に調べるために,新たに,複雑形状を有する砕石を用いた模型実験の再現解析も進めている.この模型実験は,これまでに対象としてきた実験と比べて規模が大きく,砕石を用いているため,より現実の落石に近い条件となる.この解析の終了後に,形状表現精度が解析結果に及ぼす影響を分析する予定である.この他に,次年度から予定している解析次元が及ぼす影響に関する準備のための解析を実施し,データを蓄積した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,落石模型実験の更なるデータ蓄積とその再現解析の実施,実験結果と解析結果の差の定量化のためのパラメータの検討,形状表現精度を表現するための指標の検討,解析次元が結果に与える影響を論じるための事前準備を目的として研究を進めた.申請書に記載した内容どおりに研究が進行しており,一部の成果は学術論文として公開している.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には,申請書に記載した内容に沿って進めるが,必要に応じて新たに解析対象を追加しながら研究を進める.例えば,現状では,提案した形状表現精度に関する指標の有効性を検証するために,新たに複雑形状を有する砕石を用いた模型実験の再現解析を進めている.
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