2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820193
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
川邉 翔平 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・施設工学研究領域, 研究員 (30609384)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ジオシンセティックス / 補強土 / 一体橋梁 / 津波 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.津波を模擬した造波模型実験 ジオシンセティックス補強土一体橋梁(GRS-IB)模型と、従来形式(桁が支承を介してL型の橋台に設置されている)模型に対して、実験水路内で段波により津波を再現した実験を行った。GRS-IBは、従来形式よりも、大きな津波(越流)に対して安定であった。従来形式では、津波到達直後に桁が流失し、背面土の被覆工や橋台の隙間から堤体材料が流失することで最終的に橋台も流失したが、GRS-IBでは、桁が橋台と一体化されているため桁は流失せず、従来形式よりも大きな規模の津波に耐えることができた。一体橋梁の場合、桁が流失しないため越流中の波力を継続して受けることになるが、その大きさはほぼ静水圧と同程度であり、橋台がジオテキスタイルを介して背面土と一体化されているため、背面土の重量とあわせて抵抗したものと考えられる。一連の実験より、GRS-IBは橋台の自重が減少し桁が残留するため滑動に対して不利となる要因も有するが、橋台を薄くできる、桁と橋台が一体化されている、補強材により橋台と背面土、被覆工と背面土一体化されている、などの特徴を有するため、各部材の変位を抑制する効果があり、構造物全体として従来形式よりも安定性を保つことができた。ただし、GRS-IB、従来形式のいずれに対しても、基礎地盤の洗掘対策が別途必要である。 2.橋軸直行方向への橋台水平載荷試験 橋台(壁面工)模型に橋軸直交方向に対して水平変位を与える実験のための壁面工模型を作製し、予備実験を行った。補強材を導入することにより、変位に対する抵抗性の向上が期待できることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的は、ジオシンセティックス一体橋梁が津波を受けた際の挙動を実験的に把握することである。実験の進捗は予定通りであり、造波模型実験によって、橋梁模型に作用する外力(津波による波力)と崩壊の性状を把握できた。また、横荷重載荷試験用の壁面工模型を作製し、次年度実施予定である実験の一部の準備ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、横載荷試験および一面せん断試験を実施していく。また、必要に応じて造波模型実験の追試を実施し、研究成果を取りまとめる。
|
Causes of Carryover |
実験条件の工夫等により、造波模型実験に係る模型、装置等の一部を購入せずに目的を達成できた。これによって生じた余剰の一部を橋軸直行方向への壁面工水平載荷実験の高度化のため、センサの追加購入等に充てたため、当初計画から差額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に必要な装置および消耗品の購入と、出張旅費に使用する。
|
Research Products
(5 results)