2014 Fiscal Year Research-status Report
表層地盤凍結状態における地震時の斜面崩壊メカニズムの解明とその危険度評価
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26820194
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
所 哲也 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40610457)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 液状化 / 凍結 / 斜面崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,凍土・未凍土が存在する二層系地盤の動的力学特性を評価する手法を構築し,表層が凍結している冬期の地震時の斜面崩壊メカニズムの解明を目指すものである.本年度は,模型試験,要素試験方法の検討を行った. 1.凍土・未凍土の二層地盤の地震時挙動評価に適した模型試験方法の確立 凍結期における地震時の地盤の挙動を明らかにするため,凍土・未凍土が存在する模型地盤を作製する土槽を開発した.開発した土槽の性能確認のため,飽和砂質土の表層を一次元凍結することで凍土・未凍土の二層地盤を再現し,その後振動台試験を実施した.凍土,未凍土の二層地盤で未凍土が液状化した場合,加振終了後に過剰間隙水圧の消散は見られず,凍土が融解するまで過剰間隙水圧は保持され,局所的な凍土の融解と同時に噴水を伴う急激な過剰間隙水圧の消散が見られた.表層凍結していることに起因する特殊な地震時の地盤の挙動を確認することができ,作製した土槽により凍結期の地震時挙動を評価可能であることが確認された. 2.凍土・未凍土境界面の動的強度特性評価に適した要素試験方法の確立 凍土,未凍土境界面における強度特性を明らかにするため,せん断箱の上下面を温度制御可能な一面せん断試験機を用いて二層地盤を試験機内で再現し,その境界面における強度評価試験としての適用可能性を検討した.供試体内部の温度測定を実施することで,せん断面となる供試体中央部で,平坦な凍土を作製することが可能となり,二層境界の強度特性を把握する試験法として適用可能であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,交付申請書に掲げている模型試験法,要素試験方法の確立については,検討を要する事項が残されているが,試験方法の大筋を構築することができた.このため,模型試験,要素試験を総合して,進捗状況をおおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度構築した模型試験,要素試験の試験実施精度を高めながら,種々の試験実施条件(土質,密度,含水比等)において試験データを蓄積し,振動開始直後から表層凍土の融解までの地盤の挙動を明らかにする予定である.
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