2015 Fiscal Year Research-status Report
マクロ構造へのフィードバックを考慮した生活行動シミュレーションモデルの開発と適用
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26820209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
力石 真 広島大学, 国際協力研究科, 特任准教授 (90585845)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 郊外団地 / 高齢化 / 社会的相互作用 / 買物行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,土地利用や施設配置へのフィードバックメカニズムを組み込んだ生活行動シミュレーションモデルを構築することを目的としている.本年度は,昨年度構築したモデルの理論面を強化し,広域(広島市全域)の実証分析を行うためのデータ整備を進めた. モデルの改善点としては,市場的相互作用と非市場的相互作用を明示的に分離してモデル化できるようにした.これによって,「非市場的相互作用の均衡が市場的相互作用の均衡に先立って生じる」という仮定のもとでは,市場メカニズムの観点からは明らかに存続し得ないような小規模小売店であっても,非市場的な相互作用を通じて存続が可能になる状況がモデル化できるようになった. また,改善したモデルを用いた実証分析を行うため,新たに商業統計調査データの整備を進めた.商業統計調査では,床面積や売り上げ情報等が含まれており,今回の実証分析を行うに当たって適切なデータと判断した. 簡単な実証分析を試みた結果,市場的相互作用(変数:床面積),非市場的相互作用(変数:当該施設[地域]の買物需要)ともに買物目的地選択行動に有意な影響を与えていることが確認された.今後の課題として,(1) 構造推定等により理論と整合的な推定結果を得ること,(2) 非観測異質性等の他の影響要因を制御すること,(3) 選択肢集合の設定を精緻化すること(現段階ではすべてのゾーンが選択肢集合に含まれると仮定),(4) 買物トリップ発生量,消費金額のモデル化等についても検討を進めること,等が挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,モデルの精緻化,及び,データの整備を進め,最終年度に予定しているシナリオ分析に向けた準備を進めた.シナリオ分析に必要な分析ツール,データは概ね揃ったことから,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きモデルの改良を及びデータの整備を進め,シナリオ分析を実施する予定である.特に,人口減少時の買物施設の立地パターンに着目したシナリオ分析を進めていきたいと考えている.
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Research Products
(2 results)