2015 Fiscal Year Research-status Report
人口減少下におけるコンパクトシティ実現のための都市計画史研究
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26820213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
真田 純子 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (60452653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市計画 / 用途地域 / コンパクトシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.路線的商業地域採用の理由_前年度までの調査で、建築家の内田祥三の意図が大きく影響していることが明らかになっていたため、27年度も、引き続き彼の言説や当時の都市計画地方委員会での議論について調査した。27年度は、資料収集が主な作業となった。内田が、都市全体の議論をしないまま、生活の利便性を求めて路線的商業地域を提案したことが分かってきた。 2.都市計画区域の設定方法について_前年度に引き続き、全国90の都市計画区域を対象に、計画区域の範囲設定にどのような意図があるのかについて調査した。今年度は、統計的な調査に加え、さらに個別の都市における事情等についても調査した。利用できる土地の制約などの条件が影響していることが分かってきた。 3.太田謙吉の都市計画理論について_太田謙吉がかかわった川崎市等での公園計画、風致地区計画についての実現過程を調査するため、資料の収集等を行った。 本年度は、国立公文書館のデジタルアーカイブから資料を入手したため、これにはほとんど経費がかかっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
27年度は、前期に2か月半ほど別テーマでの在外研究に行ったこと、および異動があったことなどにより、研究環境が整わず、予定していた研究計画よりやや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、路線的商業地域の起源と都市計画区域の決定根拠について、収集した資料の分析を進め、研究を深化させるとともに、都市の大きさと防災について言及していた太田謙吉の計画理念についても考察を進める。また、都市計画の教科書や「建設月報」等の専門誌を入手したうえで、語られる内容の変化について分析する。
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Causes of Carryover |
27年度は、前期に別テーマで在外研究に行ったこと、および10月に異動があり、研究環境が整わなかったため、物品購入や立ち合いの必要な謝金の支払いが生じる作業などがあまりできなかった。そのため、使用額が予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、資料収集や資料整理、神奈川県などでの現地調査を行う予定があり、27年度分も含めた研究費の使用を行う予定である。
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