2015 Fiscal Year Annual Research Report
消費者行動分析との結合による3R行動の社会的LCAの方法論の構築
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26820220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中谷 隼 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40436522)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リサイクル / ライフサイクル評価 / インベントリ分析 / 機能代替 / レジ袋 / 再使用 / オンライン調査 / 東京都 |
Outline of Annual Research Achievements |
直接的な消費者行動の背後での波及的な行動の変化が大きいと考えられる3R行動として,レジ袋の削減を分析対象として選択した。東京都の区部および市部の住民3,031人を対象として,レジ袋の使用と廃棄についてのオンラインアンケート調査を実施した。ここではオンライン調査の利点を活かして,居住する区・市ごとの廃棄物施策の違いを反映した質問を提示するとともに,7日間のレジ袋の使用(店舗の種類ごとに持ち帰った枚数,断った枚数)および廃棄(ごみの種類ごとに捨てた枚数,再使用した枚数)の実態を追跡調査した。この調査結果から,レジ袋の削減が,どのような消費者行動(ごみ袋としての再使用など)に波及するか,それらが居住地域の廃棄物施策(指定ごみ袋の導入,プラスチック製容器包装の分別収集)に制約されているかを分析した。 上記の消費者行動分析から得られる結果との結合可能性を保ちつつ,消費者行動の変化の帰結としての社会的な波及影響を考慮した環境負荷の評価手法を設計した。居住地域の廃棄物施策による波及的影響の差異を考慮して,ライフサイクル評価によってレジ袋の削減による温室効果ガスの削減効果を算定した。その結果,レジ袋の削減がレジ袋のライフサイクルに与える影響のみを考慮した場合は,地域によらず削減効果はほぼ等しくなったが,他製品への波及的影響も考慮した場合は,ごみ袋としての再使用やプラスチック製容器包装としてのリサイクルなど,もともとレジ袋が有効利用されていた地域ほど効果は小さくなることを示した。 以上の分析手法の設計と実践によって,消費者行動分析およびライフサイクル評価によって,3R行動とその波及的影響によるシステム全体の環境負荷の変化を評価するための「消費者行動分析との結合による3R行動の社会的LCA」の方法論を構築した。
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Research Products
(3 results)