2014 Fiscal Year Research-status Report
超軽量新材料を用いた合成構造における機械接合部の力学特性と経年特性の解明
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26820229
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松本 幸大 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00435447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 合成構造 / ハイブリッド構造 / 繊維強化樹脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は繊維強化樹脂材と鋼材を用いたハイブリッド構造のボルト接合部に対して,長期の経過観察実験を基とした構造実験と数値解析を通して,そのボルト張力導入に伴う応力分布と,経年変化の定量的推定手法を明らかとし,接合部設計法を構築することを目的としている。 本年度は,実験的内容として繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の長期ボルト軸力モニタリング,また,繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の非線形3次元有限要素解析を実施し,座金厚さやボルト張力を変数として繊維強化樹脂材に高張力のボルト締付が作用した際の張力低下を定量的に評価する手法を提案した。この提案式により,長期のボルト張力変化が予測可能であり,また,研究代表者らが実施した実験との対応だけでなく他の研究者による計測データとの対応が確認され,有用な実験式であることが確認された。この成果は第5回FRP複合構造・橋梁に関するシンポジウムにおいて「引抜成形GFRPボルト接合部におけるボルト軸力低下に関する考察」と題して論文投稿・発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートを用いたハイブリッド構造高力ボルト摩擦接合部の応力性状とすべり荷重と摩擦接合設計手法を明らかとすることを目的としいる。研究目的は(1)繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の長期ボルト軸力モニタリング,(2)繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の非線形3次元有限要素解析,(3)締め付け後,時間経過した接合部引張載荷実験である。各項目について, (1)繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部に対して座金径・厚さを変数とした長期ボルト軸力モニタリングを行い,座金やボルト張力が長期のボルト張力変化に及ぼす影響を定性的に把握することができた。また,座金厚さやボルト張力を変数とした張力低下を定量的に評価する手法を提案した。 (2)材料間の接触面を考慮した非線形3次元有限要素解析を行い,接合部周辺の応力性状を把握し,解析より得られる応力と実験により得られたボルト張力から,張力の低下傾向と応力との値を比較した。 のように達成しており,順調に進展している。 (3)締め付け後,時間経過した接合部引張載荷実験については平成27年度に実施する予定であり,これにより経年変化を考慮した繊維強化樹脂材の摩擦接合設計法に繋げられると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の長期ボルト軸力モニタリングについては,現在10mm未満の板厚についてのみ分析しているが,大断面構造部材を想定して肉厚の大きい場合についての材料の調達を進め,分析を行う予定である。また,その結果とボルト張力の経時変化の予測実験式との対応を確認する。ただし,課題として大断面の繊維強化樹脂材料は入手が困難であることから,貼り合わせることで肉厚を増加させる方法,引抜材ではなく接触厚法(ハンドレイアップ法等の人の手による成形)等で製作することで対応する。 併せて,(2)繊維強化樹脂材と鋼ガセットプレートとを用いた接合部の非線形3次元有限要素解析についても各種板厚,繊維強化樹脂の物性値を変数としたパラメトリックスタディを進める。 (3)締め付け後,時間経過した接合部引張載荷実験については,本年度実施し,滑り係数に経時変化について考察する。
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Research Products
(1 results)