2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fragility curve for wooden houses built in snowy region by heavy snowfall and strong ground motion
Project/Area Number |
26820232
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
千葉 隆弘 北海道科学大学, 工学部, 教授 (40423983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 積雪期 / 大地震 / 在来軸組構法住宅 / 屋根雪 / 地震応答解析 / 被害関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,積雪地域における在来軸組構法住宅を対象に,積雪期の大地震による木造住宅の被害関数構築を目的として地震応答解析を行った。2階建て既存在来軸組構法住宅の図面から建物の面積および耐力壁の仕様を抽出し,重量と剛性を推定した。なお,対象とした住宅の建築年は,1999年以前が72棟,2000年以降が50棟である。次に,屋根上積雪深が0m,0.5m,1.0m,1.5m,2.0mのそれぞれで大地震が発生した際の応答変位を弾塑性時刻歴応答解析によって算定した。この応答変位が層間変形角1/20rad.を超えたときに住宅が倒壊するものと判断した。用いた地震動は,兵庫県南部地震の位相を用いて作成した規模が震度3~6強の模擬地震動である。すべての住宅およびすべての屋根上積雪深で応答変位を算定し,建築年代および屋根上積雪深ごとに倒壊率を算定し,地震動の規模と倒壊率との関係に対数正規分布の累積分布関数を適用して得られる被害関数の構築を試みた。 その結果,屋根上積雪深が0mの場合をみると,1999年以前における住宅の被害関数は,兵庫県南部地震で得られた被害関数と近似しており,2000年以降の被害関数は,1999年以前の場合に比べて倒壊率が小さくなる傾向があった。これに対し,屋根上積雪深が0.5mの場合をみると,建築年代に関係なく,震度5強程度で倒壊率が急激に増加する傾向を示した。 以上の結果から,2000年以降に建築された在来軸組構法住宅は,無積雪期の大地震に対しては耐震性を有していると言えるものの,積雪期の大地震に対しては,1999年以前とそれほど変わらないことが明らかとなった。
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